WOTONAKICHI
WOTONAKICHI

ChatGPTに麻雀用語を使って桃太郎を語らせたら、とんでもないことになった…!!

どうも、中山ぽてと。です。 麻雀にハマってはや3ヶ月。良い感じに沼ってきました。 相変わらず麻雀モチーフのアイテム収集をしていて、つい買ってしまうんですよね。 ネイルパーツや巾着ポーチとか。ちなみに、昨日はパーカー(!?)を買いました。 もうすぐ夏が来るのに!!!!!!! 絶対今いらんやろ!!!! 来月の請求額が今から怖い。 肝心の麻雀の腕前はと言うと「……ハハッ☆(察して)」って感じなのですが、初心者なりに少しずつ役を覚えながら楽しんでいます。 しかしですね、麻雀って本当に専門用語が多いんですよ。 ゲーム単位、場、プレイヤー、ルール、点数、役などなど。 麻雀用語を覚えれば、その分、上達も早いんだろうけど、なんか足踏みしちゃうんですよね~。 あ、でも麻雀用語の中にも、普段の生活で見聞きする用語もあります。 例えば「ワンチャン」とか。 「ワンチャン〇〇できるかも?」のように、『もしかすると』などの意味合いで若者を中心に使われる「ワンチャン」。 近頃よく使われますが、このワンチャンも麻雀用語です。 この他にも、実は麻雀が語源になっていて、日常で使われている言葉ってたくさんあるのでは? ググってもいいんだけど、それじゃあきっと右から左に流れて身にならない。それに、面白くないよなぁ。 そこで私はひらめいたのさ。 「ChatGPTで有名な物語を麻雀用語を使って語らせたら面白いのではないか」 と。 有名な物語なら麻雀用語を使っていてもニュアンスで分かるだろうし。 題材は誰もが知っている「桃太郎」で。 さて、どうなることやら。 ではいってみよー! ChatGPTの桃太郎。この展開、誰が予想できただろうか!! さてさて、早速ChatGPTに指示を与えてみます。 「麻雀用語を使って桃太郎を読んで」 文章生成までにかかった時間はわずか数秒。早すぎ。 では、ご覧いただきましょう。 いくよ???? 3 2 1 デデンッ! !?!?!? ファーーーーーwwwww 見ての通り、ツッコミどころ満載です。 ちなみに、この作業をしたとき、まぁまぁ人がいる電車の中だったんですよね。 初見で声出たよね。恥ずかしすぎるww 麻雀用語はさておき、問題作すぎるwww 面白いからそれぞれツッコんでみようと思います。 ChatGPTが書いた桃太郎の話にツッコミ入れてみた! 『ある日、村の老人と老婆が、川で一つのテンパイを見つけました。』 まって、桃がテンパイになっとるw このままじゃ桃太郎じゃなくてテンパイ太郎になっちゃうww 次いきます。 『やがて、そのテンパイからサンショクの声がきこえてきました。老夫婦が近づくと、テンパイから「ニー、ニー」と聞こえました』 サンショクとは?からのニー、ニー。子猫かな? ちなみに、二―二―という麻雀用語はないみたいです。 『そして、それはある日の出来事を語り始めました。』 中の人の成長の早さよw 『"あるところに、アタマの三ツボに桃が生っていました』 アタマの三ツボ??? 『その桃を割ってみると、中から桃太郎が飛び出してきました!』 あ、ここは物語に忠実なんだww 『テンパイに乗った桃太郎は、オーロラワンドを持ち、川を渡る準備をしていました。"』 オーロラワンドって?武器?? 『老夫婦は桃太郎の言葉を聞き、驚きました』 よかった、テンパイの中の人はちゃんと桃太郎だったw 『そして、彼らは桃太郎を助けるために、自分たちのテンパイを貸し出しました。』 待って?やっぱりテンパイは桃じゃなさそうだわw なんなの?テンパイって。そんな一家に一台みたいな感じで持ってるの? あー、もう、ツッコミが止まらないね!!! 『そこで、桃太郎と老夫婦はチームを組んで、大河川を渡ることにしました。』 老夫婦とチーム組むなw イヌとキジとサルはどこいった???きび団子あげて?? 『彼らは雀荘のような困難な試練に直面しましたが、』 不覚にもここで、めちゃくちゃ笑いました。 確かに雀荘って色んな試練がありそうwなんでここだけリアルなん?w 『結局、桃太郎のオーロラワンドと』 オーロラワンドってなんなん?(2回目) 調べたところ麻雀用語ではありませんでした。 『老夫婦のテンパイの力で』 テンパイって武器なの!?w 『大河川を渡り切ることに成功しました。(終)』 あ、テンパイはやっぱり船的な何かだったみたい。 からの。 はい、今日一番のツッコミどころがここです。 まいりましょう。 鬼どこーーーーーーー!!!??? 鬼ヶ島に行けーーーーーー????? これって、つまりさ。 桃太郎がおじいさんおばあさんと、乗り物で川を渡っただけの話じゃん!!なんじゃそりゃ! すごい、500文字程度の文章に、こんなにツッコめるとは思わなかった。 で、ですよ。 本題を忘れていませんか? そうなのよ。 麻雀用語の理解が何一つできなかったのよ。 おそらく、冒頭で出てきたテンパイ、アタマ、サンショクが麻雀用語です。 結論、生成AIが作った麻雀用語の桃太郎は、インパクトが強すぎて頭に入ってこなかった(笑)。 改めて日常で使われている麻雀用語を調べてみた はい、ぐだぐだ言ってないで、最初から素直に調べておけば良かったです。 というわけで、日常でも使われている麻雀用語を調べました。 1.「聴牌」(テンパイ):あと1牌が揃えばアガれる状態「聴牌」/(例)今テンパってる 2.「面子」(メンツ):3つで一揃いになる牌の組み合わせ/(例)メンツが揃った 3.「連荘」(レンチャン)親番で親がアガると続けて親の権利が続けられること/(例)〇連チャンしてる~ 4.チョンボ:麻雀での反則行為/(例)今チョンボしたでしょ? 5.安全牌(アンゼンパイ) / 安牌(アンパイ):危険性がない安全な牌のこと/(例)安パイとって〇〇にしよう など。 ちなみに、ChatGPTの文章に出てきた「アタマ」「サンショク」についても調べてみました。「サンショク」はどうやら三色同順のことを言うようです。 ・アタマ(雀頭):アガりの形の中で同じ種類の牌2枚1組で作る組み合わせ ・サンショク(三色同順):役のひとつで、萬子・筒子・索子の3種の数牌で同じ数字の順子を揃えると成立 ChatGPTで出てきた麻雀用語、やはり本来の意味とは違う使い方をされていましたが、興味を持てたので良しとしよう…。 もっと好き勝手に麻雀用語を使って桃太郎で遊んでみた ChatGPTインパクトが強すぎて、かすんでしまいそうだけれど、改めて麻雀初心者の私が麻雀用語を使って桃太郎の冒頭を好き勝手に書いてみるわね! 令和の桃太郎 わりと最近、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。 おじいさんは雀荘へ、おばあさんはMリーグのパブリックビューイングに行きました。 観戦が終わり、おばあさんが推しのおかぴーにメロメロになっていると 「Mリーグの公式グッズはいりませんか~?」 と、桃太郎という青年が売り場で元気に呼びかけています。 「今日の所持金で、ワンチャン推しのグッズをコンプリートできるんじゃない?」 そう思ったおばあさんは、案の定グッズ売り場に並びました。 無事にお目当てのものをゲットしたおばあさんは言いました。 「いや〜、まさかガチャガチャで10連チャンも同じものが出るとはねぇ。アンパイにタオルだけにしておけば良かったかしら。」 鬼の形相でガチャをぶん回していたおばあさんに、つい声をかけて仲良くなった桃太郎が言います。 「中にはチョンボして中身を確認する輩もいますからね。それに比べると、おばあさんは推しのために何度もガチャを回していて素敵ですよ。ちなみに僕はコンプリートのために30回も回しました。荷物、重たいですから家まで運びましょうか?」 推しの鏡として褒めてもらい、おばあさんは上機嫌。 話に花が咲き、桃太郎を連れて家に帰るのでした。 家に着くとおじいさんはすでに帰宅しているようです。 リビングに入ってきた桃太郎を見ておじいさんは途端にテンパります。 「おまえさん、なぜここに!?」 おじいさんと桃太郎は顔見知りのようです。 「あ、あなたは……!」 食い気味に桃太郎が言います。そして少しバツが悪そうです。 「いきなり辞めて心配したんだぞ。どうして突然居なくなったんだ!!」 続けて言います。 「もう会えないかと思っていたよ。この興奮、国士無双十三面待ちのとき以来じゃ!!!」 なんと、桃太郎はおじいさんが通う雀荘の店員だったのです。 「僕なんて、九連宝燈のぐらいの驚きです!!!まさか、あなたがおばあさんの旦那さんだなんて…!!!」 「実は新オーナーの鬼山さんと経営のことで揉めてクビになってしまって……。だってあの人、今の店を潰して、団子屋を作るって言うじゃないですか!あの雀荘は、亡くなった元オーナーが大切にしていた場所なのに…。」 元オーナーにたいそう可愛がられていた桃太郎は、今にも泣きそうな顔をして言います。 「なぜ、そのことを早く言ってくれなかったんだね!常連の犬飼と雉島と猿渡のいつものメンツも、おまえさんが突然居なくなってどれだけ心配したことか…。それにわしだって。」 続けておじいさんは言います。 「よし分かった。わしに考えがある。今すぐ皆を集めて鬼山のところへ行こう!」 そう言って、おじいさんは鬼の形相で立ち上がったのでした。 to be continued… あれ?なんの話でしたっけ? 麻雀用語の中には、私たちが普段使っている言葉も結構あるんですね。 これから先、まだ馴染みのない麻雀用語がふとしたきっかけで、広く使われるようになるかもしれません。 では、解散!

牛が嫉妬する!? カラダにもやさしい次世代の植物性ミルクアイスが続々と登場する

偏愛・脳汁を語るサイト「ヲトナ基地」では、多数の「愛しすぎておかしくなるほどの記事」をご紹介してまいります。 ヲトナ基地で今回紹介する記事は「牛が嫉妬する!? カラダにもやさしい次世代の植物性ミルクアイスが続々と登場する」。シズリーナ荒井さんが書かれたこの記事では、植物性ミルクアイスへの偏愛を語っていただきました! 38年間食べ続けているが、全く飽きのこない食べ物…。それが「アイス」。私にとってアイスとは人生のすべてであり、どんなことがあってもアイスは裏切らない。そう信じていたが、そうでもなかった。今年に入ってから密かに続々と登場している次世代の植物性ミルクアイスの完成度に驚かされた。 植物性ミルクを使用したアイスの進化がどうにも止まらない 植物性ミルクアイスといえば、“大豆ミルク”すなわち豆乳を使用して作られるアイスが一般的。私の記憶が正しければ、植物性ミルクを使用して作られたアイスは2008年頃にごく一部のアイスメーカーから発売されていた。 当時の植物性ミルクのアイスはとにかく豆乳独特なえぐみが強く、ヘルシーであることは理解できるものの、この味わいだとなかなか継続して食すには難しいと思う仕上がりだった。 2020年から少しずつではあるが、アイスメーカー各社で植物性ミルクを使用したアイスの研究開発に力を入れ始めた。豆乳の独特な臭みやえぐみを軽減する技術だったり、逆に豆乳の旨味を引き出す製法だったり、研究を重ねて商品化にこぎつけていた。 今、まさに植物性ミルクアイス戦国時代の到来・技術力で活路を開く 動物性ミルクアイスが主戦場の中、植物性ミルクアイスでも競争が激しくなっている。 植物性ミルクアイス界を牽引するクラシエに続き、ハーゲンダッツ ジャパン、ロッテが植物性ミルクアイスブランドを立ち上げ、エリアを限定してテスト販売開始し、現在では販売エリアを全国へと広げている。 2024年にはクラシエが豆乳以外の植物性ミルク(オーツミルクやアーモンドミルク)を使用したアイスを発売し、森永製菓でもライスミルクを使用したアイスが一部店舗でテスト販売されている。 食べずに夏は越せない!最新植物性ミルクアイス4選 ・ロッテ クーリッシュGreen ストロベリー[脳汁ドバドバ度★★★★★] 飲むアイスの新定番 飲むアイスでおなじみ「クーリッシュ」ブランドから、乳製品ではなく植物性ミルクで仕立てることで、美味しさの新定番を目指した商品「クーリッシュGreen」が登場。「クーリッシュGreenストロベリー」は、ストロベリー果汁を5%使用しており、甘酸っぱい味わいがとても印象的な仕上がりだ。 味のベースとなるのが豆乳とえんどう豆由来の植物性ミルクで、独特なえぐみや雑味が軽減され、ストロベリーのストレートな味わいが強く感じられ、植物性ミルクで作られたアイスであることを忘れるぐらいやみつきになる味わいだ。 通常の「クーリッシュ」と同様に微細氷が入っているため、後味がスッキリして喉ごしがいいのがポイント。また、ロッテの底力を感じた部分は、牛乳にはあって豆乳にはないコクや味わいをおそらく研究し尽くし、それを補うために隠し味としてしょう油を加えた発想力。このこだわりに脳汁ドバドバだ! ・クラシエ フロムグリーン オーツミルクカフェラテ[脳汁ドバドバ度★★★☆☆] 植物性ミルクアイスの概念が変わった商品 ほろ苦いカフェラテの味わいが楽しめるオーツミルクアイスで、ヘーゼルナッツのザクザク食感もたまらないし、スプーンが止まらない商品が登場。大人だけでなく、子どもも楽しめるカフェオレ風味の仕上がりだ。 オーツミルクの香ばしさを引き立てるために、苦味が強いエスプレッソコーヒーエキスを配合。香ばしさと苦味のバランスが旨味へと昇華され、濃厚な味わいでありながらもオーツミルクのコクも楽しめる、まさにアイデア商品だ。豆乳、アーモンドミルクは他の商品でもよく見かけるが、オーツミルクを選定してきたところに脳汁ドバドバだ! ・ハーゲンダッツ ジャパン GREEN CRAFT 豆乳バナナショコラ[脳汁ドバドバ度★★★★☆] 植物ミルクアイス界の金字塔現る 素材を厳選し尽くして作られた植物生まれのグリーンクラフト。クリーミーでコクのある豆乳とすっきりした味わいの豆乳をブレンドして作られたアイスは、食感がなめらかで軽やかな味わいだ!  正直、ビックリしたのは、従来の植物性ミルクで作られたアイスではボソボソっとしたみぞれのような食感に仕上がってしまうのだが、スプーンでアイスをすくった瞬間なめらかであることがわかるぐらいクリーミーだ。この時点でもう脳汁ドバ…ドバドバ。 次に、完熟バナナの甘さが豆乳に負けない味わいで、そこへ相性抜群のチョコレートソースが絡み合ってくる。まさに植物ミルクアイス界の金字塔的存在だ。 ・森永製菓 OKOMETOバニラ[脳汁ドバドバ度★★★★☆] アイスなのに温かい植物性ミルクアイス アイスなのに、開発担当者の温もりを感じられる商品。乳製品不使用ながらまるで乳製品を使用しているような、なめらかな口当たりやコクを覚える。お米のやさしい甘さが生かされていてさっぱりと食べられるのが特徴だ。 食べ進めていくうちにどこか懐かしい味わいすら感じさせる新商品。自分の記憶を辿っていくと、幼少時代に駄菓子屋さんで口にしたポン菓子のような口馴染みのある味わいで、当時のことが走馬灯のようによみがえる。 あー。もうこの時点で、脳汁ドバドバMAX。このアイスをひと口食べて、自分の中で植物性ミルクアイスの視野が広がった瞬間でもあった。 欧米でも植物性ミルクを使用したアイスは数多くある。だが日本の植物性ミルクアイスは、味はもちろん食感までなめらかに仕上げられるアイス製造の技術が世界でもトップクラスだと思い知らされるレビューとなった。ぜひ、今回ご紹介した商品の中から気になったアイスを食べてみて!

私の周りの偏愛者 Vol.2 イカを愛する女

偏愛・脳汁を語るサイト「ヲトナ基地」では、多数の「愛しすぎておかしくなるほどの記事」をご紹介してまいります。 ヲトナ基地で今回紹介する記事は「私の周りの偏愛者Vol.2 イカを愛する女 」。山田ノジルさんが書かれたこの記事では、とある女性によるイカへの偏愛を語っていただきました! 深く理解したいから「解剖」する 清楚で穏やか。好感度の塊のような人だな、と初対面で思った。ところがイカの話になると、印象が変わる。シュンッと真顔になり、早口かつ淡々とした解説マンにトランスフォーム。それは「酔っぱらっていて覚えていない」という時も、素面の時も変わらない。いつでもどこでも、イカへの愛があふれ出る。 今回ご紹介する私の周りの偏愛者は、イカを愛する会社員のMさんだ。 Mさんは出先で「いいイカ」を見つけると、買わずにいられない。その目的は料理でなく、解剖だというので「お、おう」となる。Mさんにとって解剖は、イカをより深く知ることができる手段なのだとか。ちなみに研究や仕事とは一切関係なく、純粋な「趣味」なのが面白い。 某イベントでイカを解剖中のMさん。静かな佇まいだが、心の中は熱いイカ愛が渦巻いている。 Mさんは、仕事と家庭を両立させつつ、時間を作っては自宅でイカを解剖している。今日はエラ、別の日は心臓(ちなみにイカの心臓は3つある)、また別の日は直腸……などテーマを決めて解剖していくという。そしてきれいにとれた部位を観察したり、残りを食べたり冷凍したり。 Mさんはイカ同人誌(を出しているのだ)で、こう語っている。 「解剖というのは、生き物を深く知るための方法です。切り開き、腑を分けて、からだの隅々まで観察することで、一層その生き物を愛することができるようになる気がするのです」 なるほど……と納得させられそうになるが、子どもの自由研究でもなければ、なかなか家で日常的に解剖できないわー。偏愛が生み出す行動力って、すごいな。もちろんMさん本人にも、「変わったことをしている」という自覚はある。 私は以前、理解されにくい趣味を持つ人を集めた飲み会を開催したことがある。そこに参加してくれたMさんは後日、しみじみこう語ってくれた。 「解剖が趣味だと話して、引く人がいない空間が最高だった」 日頃はイカトークを始めると、失礼な言葉を投げかけられるまでには至らないものの「え……ふーん……そうなんだ……」と、相手が言葉少なになってしまうという。なんと寂しい関係性なのか。でもMさんはたいして気にしていない。 「解剖して観察して何になるのか? って言われるとちょっと自分でもよくわからず……そこはまだ、答えが出てない部分ですね。でも好きだから、何度でも見たいので」と、Mさんは微笑む。 「イカの個体、種類によって、内臓の状態とか全然違う。それを見たり測ったり、記録をつけたりするのが面白い。いかにきれいに内臓をとるか、という試行錯誤の過程は本当に楽しいですね。解剖するたびに、 違う発見があるし」 解剖と言うと自分の場合は、中学時代の理科の授業で行ったカエルの解剖が思い出される。グロテスクなハプニング続きで(詳細は適当に想像してください)、阿鼻叫喚の授業となった青春の一コマ……。そんなろくな体験しかなかったが、Mさんに出会いイカの解剖に触れ、美しく学びのある解剖には、愛と技術そしてモチベーションが必要なことを学んだのであった。 内臓を観察するため、胴を一直線に切り開かれるイカ。 イカでデートが台無しに!? でも「人生バラ色」と語る理由 Mさんがイカ愛に目覚めたのは、デートで訪れた水族館でのことだ。時は今から10年前。Mさんが20代の時だ。ちょっといい感じの関係になりそうだった相手と、葛西臨海公園を訪れた。そこでMさんは「生きているイカ」に初遭遇した。ガール・ミーツ・スクィッド。 「すごい、透けてる!!」 イカの透明ボディが、Mさんの心を奪った。そしてデート相手を置き去りに、水槽の前でたたずむこと数十分……当然マッチングは不成立となった。しかしこれは、Mさんの人生における僥倖だった。Mさんの人生が「イカ以前」「イカ以降」となる大きな分岐点である。 「私は埼玉出身だったんで、それまで白く濁ったイカしか見たことなかったんですよ。ところがあんな透明で、泳ぎ方も魚と全然違って面白い。群れで展示されていたのですが、シュンッ……シュンッ……みたいなシンクロも最高でしたね。イカってこんな生き物なのか! ととにかく驚きでした」 そこから発展したイカ愛により、ブラック企業を退社した(どういうこと)。 「当時は深夜2時まで働くことも珍しくなく、休日は疲れきって寝ているだけ。出会いもないし、楽しいことが何ひとつありませんでした。体調もいつも悪かったですしね。でも、他にできる仕事もないし……となんとなく勤めていたんです。ところがイカに出会ってからは、何もかもどうでもよくなってしまった。休日にイカも見れない仕事って何!? 転職を決めました」 そうして退職の準備を進めるなか、イカの趣味を理解してくれる相手と出会い、後に結婚。休日はどっぷりイカに没頭できる日々になったという。イカで人生が変わった女と呼べるだろう。 某イベントで参加者に配られたイカの解剖説明図。 「他にもイカがきっかけとなり、できるようになったことってたくさんあるんですよね。イカの魅力を発信しようとすると、いろいろなスキルが必要になります。何かを書いたり、同人誌のためにデザイン作業をしたり写真を撮ったり。どれも、楽しいことしかありませんね。買い物に行って、イカの鮮度がわかるのも嬉しい。どこで見分けるって? そりゃ、体色と目ですよ」 「人生バラ色」と言い切れる人が、今の世にどれだけいるだろう。イカが素晴らしいのはさておき、偏愛を軸に人生の舵を切る力こそが、魅力の源なんだろう。 偏愛者の収納問題 Mさん宅の収納はこだわりの解剖グッズで占領され、冷凍庫は解剖前後のイカで埋め尽くされている。 Mさん愛用の解剖グッズ。これで何匹のイカを解剖してきたのだろう。 「組織は小さいのでそんなに場所をとらないんですけどね……解剖道具が問題です。大きいイカを広げる必要があるんで、地味に場所を取るのはバッドですかね。この間も夫に、”自分のものが入らない!”と抗議されました。で、また顕微鏡を買っちゃった」 イカの話はクールなトーンだが、こういう時は「ふふふ」と笑うのが、また味わい深いお人柄である。余談だが、私の周りの偏愛者はこうした収納問題で揉めている家庭がいくつもある。特に偏愛の対象が生き物系の場合、コレクションや道具をディスプレイする方向に走ると、若干猟奇的な家になりがちだ。近所の子どもにオバケ屋敷扱いされているという知人も、複数人存在する。「ときめくかどうか」を手元に残す基準とする「こんまりメソッド」を適用したらどうなるだろう。対象物のすべてにときめく偏愛者の家は、日常生活の必需品からものが消えていきそうですね。 「カラストンビ」と呼ばれるイカのくちばしが収納されたケース。自分は「珍味」という認識しかなかったが、世の中にはこうして愛でている人もいるのだな。 ただ、イカの場合は、解剖後に消費しやすいという点に優位性があるかもしれない。 「イカは再冷凍できますからね。食材としてもマジ優秀! 先日もホムパで、解剖後に冷凍しておいた身を刺身にして出したんですよね。解剖後だって言わずに」 イカは脂肪分が少ないことから、解凍と冷凍を繰り返しても、味がさほど劣化しないのだ。食べるベクトルに向かう趣味は時に栄養・健康問題がセットになりがちだが、イカの場合は脂肪分が少ないヘルシーなたんぱく源であるから、めっちゃヘルシーで申し分ない。 ちなみにMさんイチ押しのイカ料理は、頭蓋骨のから揚げだという。解剖の時に出た軟骨を集めて味付けして、から揚げのようにするのだとか。 「おつまみにぴったり。最っ高に、ビールと合いますよ!」 聞いているだけでたまらない、未知の珍味。レシピも知識も豊かになる、偏愛者とのおしゃべりは時を忘れる楽しさだ。 なぜイカなのか? Mさんがイカを愛するその理由 自分なら指でしごいて落としてしまう吸盤も、Mさんにとっては宝物である。 ところで「透明で美しい」というならば、クラゲも同カテゴリーだと思うのだが、そこでなぜあえてイカだったのか。それは「ギャップにある」と言い切るMさん。 「クラゲと比較するなら、クラゲは始めからキレイ〜癒される〜みたいな印象が強いじゃないですか。だからそこに、大きな衝撃はない。一方イカはたいして美味しくないし…くらいのイメージしかなかったんですよね。そうしたら、予想外の美しさでしょう。身近なもののギャップにやられてしまったんですよね。肉食なのもいいですよね。獲物に向かってチャーーーーッと行って、バリバリッと食べる姿もたまりません」 チャーバリバリ、ですか。前回(Vol.1「果物を愛する男」)と同様に、偏愛の対象となるものよりも、それを語る偏愛者の姿が圧倒的に楽しい。 人気ゲーム『スプラトゥーン』でもそうであったように、巷ではイカといえばタコ、タコといえばイカである。イカと近い生き物である、タコに浮気することはないのだろうか? 「いや、タコには市民権がありますからね。多分、タコ可愛いよねって人のほうが圧倒的に多いと思う。生き物の話をしているとよく、タコって頭いいんでしょ?とかも聞かれます。イカもタコも無脊椎動物の中では、体に対し脳の割合が大きく、神経が発達しています。だから間違いではないんですけど、心の中で”イカもだよ!”ってつぶやいています。イカはまだまだ市民権が小さい。だからイカは、私が応援しないと」 解剖がイカの市民権につながるまでには、壮大なストーリーが生まれそうである。ゴールがどこかはわからないが、そんなMさんの面白さを、私は応援したい。

バトルあり、少年の成長ありで脳汁必至『甲鉄城のカバネリ』アニメもスロットもハマってほしい!

どうもこんにちは! 年間1000話のアニメを視聴するアニメヲタクの主婦です! 「あ~、なんだか非日常を味わいたいな~」                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                  そんなとき、皆さんはどんな方法で非日常を味わっていますか? 旅行やキャンプ、遊園地、映画、パチンコなどなど、日本って本当に娯楽の数が多くて最高ですよね。 アニメヲタクの私はというと、たまにできる一人時間に映画館のように部屋を暗くしてプロジェクターでアニメを一気見するのが、それはもう至福の時間でして……。 より楽しむために、自室を映画館仕様にして外の音と光を遮断してどっぷりアニメ鑑賞するぐらいには好き。 そして、色んなアニメを見るがゆえに増える推し。毎月誰かしらの生誕祭を祝ってケーキ食べまくっていたら、フツーに10㎏増量したけど? それでも、日々新しいアニメの視聴も欠かさない! どんなジャンルでも初めて見るアニメは特に脳汁必至で、名作に出合ったときには誰かに話したくてたまらなくなるんですよね~。 で、最近また脳汁ドバドバ系のアニメに出合ってしまいました。 『甲鉄城のカバネリ』って言うんですけど……。 https://twitter.com/anime_kabaneri/status/727301691238809601?s=20 『カバネリ』の存在はパチスロ台になったことで知りました。 私、普段パチスロをたしなむアニメオタクなんだけど、何気なく座ったことでこのアニメにどハマりしてしまうとは……。 この台、パチスロとしても神がかっていて遊技してみるとすごく面白くてね。 出玉をじわじわ増やしていくゲーム性もさることながら、演出や名場面の出し方、BGMなんかも打つ人を虜にしてしまう要素があります。 そして、打つ人を引き込むのが、 「六根清浄!!」 これです! これを聞いて興奮しない人はいないはず。 勝っても負けても面白い『カバネリ』なのですが、こんなに魅力的なパチスロだと次第にアニメの方も興味がでてくるんですよね。 で、話は戻り、家に帰って気になってすぐ一気見したら案の定、どハマりしたと。 ああもう、『カバネリ』の面白さを誰かに話したくてたまらない!!!!! というわけで、今回は年間1,000話視聴するアニメオタクの私が『甲鉄城のカバネリ』の良さを、皆さんに布教していきたいと思います! 『甲鉄城のカバネリ』の2つの魅力 まずは『甲鉄城のカバネリ』の簡単な説明を。これ、バトルアニメです。 舞台は日ノ本と呼ばれる国。そこでは「カバネ」と呼ばれる不死の怪物がおり、人々はその脅威に怯えながら、各地に「駅」と呼ばれる砦の中で身を守るように築き、暮らしています。 駅を行き来する手段は、「甲鉄城」と呼ばれる装甲機関車。この装甲機関車の蒸気鍛冶をしている主人公の少年「生駒(いこま)」を中心に、カバネとの戦いを描いた物語です。 詳しいあらすじはこちら⇒カバネリ製作委員会 カバネに噛まれてしまうと、自身もカバネになってしまうという設定から、カバネはゾンビと言っても差支えないでしょう。 あれ、カバネってもしかして「屍(シカバネ)」から着想を得てる感じ??? 見どころ1 ど迫力の戦闘シーンと神作画 バトルアニメといえば、『進撃の巨人』や『鬼滅の刃』が思い浮かぶかもしれません。 この2作品が人気な理由の一つに、主人公に感情移入しやすい分かりやすい設定なのと、バトルシーンが丁寧に描かれているところにあると思うんです。 そして『カバネリ』もストーリーの分かりやすさと、話が進むたびに主人公の生駒の心情や成長していく姿に感情移入できる。さらに、成長とともに甲鉄城がラスボスに向かって進んでいく様子が、もう最高に面白くって……! ゾンビのような存在のカバネを倒すという、分かりやすい構成なので、バトルアニメ初心者でもハマりやすいのです。 しかも、映像が本当にきれいなので戦闘シーンの良さがより際立ちます。 なんというか、本当に細かいところまで作りこまれてて、戦闘シーンのアングル描写なんて360°で臨場感が半端ないんです。 https://www.youtube.com/watch?v=aZGjYjCnkLw こだわりが詰まりすぎていて、制作コストいくらかかってんの? って心配になっちゃうレベル。 あとは細かな作画にも注目! ゾンビ系のアニメだと、数体どころか何十、何百体とゾンビを描く必要があって、後方のゾンビの作画崩壊はよくあることなのですが、『カバネリ』では後方のカバネまで丁寧に描き込まれているんですよ。見ている人を休ませない。 https://twitter.com/anime_kabaneri/status/722341574319874048?s=20 後に知ったのですが、本作のキャラクター原案は美樹本晴彦氏が手がけているそう。 美樹本さんと言えば、これまでガンダムシリーズやマクロスシリーズを担当している方。 これは、見る選択しかない。 見どころ2 主要キャラがとにかくイイ… 『カバネリ』には2人の主要キャラがいます。 1人は先ほど紹介した主人公の生駒。 https://twitter.com/anime_kabaneri/status/728230331430510592?s=20 そしてもう1人が、ヒロインの無名(むめい)。 https://twitter.com/anime_kabaneri/status/725699866748317696?s=20 主人公の生駒は実は半分人間、半分カバネの「カバネリ」という存在です。わかりやすく言うと、半妖みたいな感じ。 この生駒、あるトラウマを吹っ切るべく、なりたい自分になるためになりふり構わない行動をとってしまうのですが、そうさせる彼のトラウマを思うと感情移入せずにはいられなくて……。 本作でも、生駒の成長にスポットを当てていて、「生駒あぁぁ~(涙)」となってしまうシーンが何度あったことか。うぅっ(涙)。 一方、ヒロインの無名もカバネリです。 まず、顔が可愛い!! もう一度言います、無名ちゃん、とにかく可愛い。 普段は子どもっぽいくせに、戦闘シーンになるとカバネを圧倒する強さ。そのギャップがまたたまりません。 もちろん2人以外のキャラクターもとても魅力的。 私はスロットから入ったので、美馬(びば)というキャラのイケメンさにメロメロです。カバネリのパチスロ打ってる人だとわかると思うんだけど、美馬が出てきたときの特別感よ……! https://twitter.com/anime_kabaneri/status/738370875989196800?s=20 そしてこの美馬は、われらが宮野真守(通称・マモ)が声優を務めているんですよ。 https://twitter.com/anime_kabaneri/status/735830363310673920?s=20 アニメ好きの間では知らない人はいないマモ。 2023年の「ぐるナイ・ゴチになります24」でレギュラー出演していたあの人です。 話題アニメでの起用は数知れず人気声優の1人なのですが、「美馬の声はマモしかおらん!」と思わせてしまう彼のすごさたるや……。 これから『カバネリ』を見る方は、ぜひそこにも注目してください!! 『カバネリ』、アニメもスロットもハマっちゃうから覚悟して ほんとはさ、あと2時間ぐらいは語れそうだよ……。 スロットを打ってカバネリに興味を持った私。 バトルアニメに興味のない私が、こんなにハマるとは思わなかった……! 人気アニメがタイアップとしてパチンコやスロットになるのはよくあるけれど、スロットからアニメを知ることはあまりなかったので新鮮でした。 なによりスロットで見る熱い演出は、アニメで見るとさらに興奮してしまうんですよね。 そしてもし機会があれば、『カバネリ』のスロットを打ってみてほしいです! あ~今日は、何のアニメを見ようかな~。

「黒い粉」バクチャーが全国の水辺に撒かれてしまった話

偏愛・脳汁を語るサイト「ヲトナ基地」では、多数の「愛しすぎておかしくなるほどの記事」をご紹介してまいります。 ヲトナ基地で今回紹介する記事は「「黒い粉」バクチャーが全国の水辺に撒かれてしまった話 」。黒猫ドラネコさんが書かれたこの記事では、効果が明らかではない水質改善の活動について、「トンデモ観察」を偏愛する視点から語ってもらいました! きっかけは道頓堀 その粉について、私が初めて認識したのは2020年の夏の終わりでした。 Twitter(現:X)に、大阪・道頓堀川の画像が流れてきました。今のように水質改善事業が進んでいく少し前の話です。台風の影響なのか濁って緑色になってしまった川面と、すっかり綺麗になった様子のビフォーアフターでした。「バクチャー撒いたらたった3日でこんなに綺麗になったんだって(絵文字略)」という一文に添えられて。 思わず「???」となった私は、その「バクチャー」について調べました。そこには、眩(まばゆ)さに目を覆いたくなるような、晴天の水面よりキラキラした世界が広がっていたわけです。それ以来、時々は飽きつつも定期的に観察するようになり、(いろんな意味で)今でも最も好きなウォッチ案件かもしれません。 道頓堀川の水辺整備(大阪市のホームページより) https://www.city.osaka.lg.jp/kensetsu/page/0000010881.html バクチャーとは「Back to the Nature(自然に還る)」の略で、岡山県にあるRBCコンサルタント株式会社が製造しています。同社の説明などによると、中国地方で採取される多孔質火山礫(かざんれき)を焼いて砕いた黒い粉で、水に撒くと微生物たちのすみかが増え、分解作用が活性化することによって水質を改善に向かわせるとのこと。 トイレ用の製品や飲むエキスなども販売され、手広くやっているようです。有料の工場見学ツアーは有名タレントがYouTubeで紹介したり、スピリチュアル系のインフルエンサーが施設のすごさや粉の魅力を宣伝したりといろいろと派手なものでした。 ツアーでは、なんとバクチャーを使えば金魚が泳いでいる水も飲むことができるとして、実際に飲ませてキャッキャと喜ばれていて……。支持者のブログ投稿で初めてこの様子を見た時にどんより淀んでしまった私の思考回路は、バクチャーがあればなんとかしてくれたのでしょうか。 海や川には効かないのでは そんな感じの、好きな人には好きな粉(うまく言ったな)ですが、実はバクチャーの仕組み自体は嘘やインチキではなく、熱帯魚の水槽などに敷かれる石や砂で同じようなものがあるようです。狭い範囲であれば、消臭や水質改善もある程度は見込めるのでしょう。 問題は、河川ましてや湖や海が変わるのか。「1トンの水に30グラムでいい」なんて説明も見ましたが、どれほどの根拠なのか疑念は消えません。人の手からパッパと撒いたところで、水中にどれほど残るのでしょうか。 前述の道頓堀川も、街中の穏やかな川とはいえ上流と下流がありますから、浮いたものは確実に流されてしまいます。巨大な固形物にして何個も沈めたり、トラック何杯分を敷き詰めたりできれば話は別でしょうが、水面に振りかけたぐらいでは微粒子となって彼方へと去ってしまうわけです。流れのある河川に撒くのは無意味で、悪く言えば不法投棄、よく言ってもただの自己満足でしょう。 全国各地にばら撒く隊員たち しかし、人は「善行」と信じ込んでしまえばそれを広めたいものなのでしょうね。微生物と同じようにコロニーをつくってしまいました。 「ばら撒くチャー隊」というFacebookグループがあります。この隊員たちが文字通りバクチャーを撒く活動を展開しました。現在の参加者数は2万人近く。そおっと覗いてみると、今は一旦活動休止となって久しく、無関係な投稿で溢れていました。 この隊の創設メンバーにバクチャー製造会社の近親者がいて、リーダーもその友人だというのがもう…。みなまでは言いませんが、最高にいい具合でした。 製造会社との連携プレーもありつつ、かくして、ばら撒くチャーの隊員らによって、合言葉なのか見えないエネルギーのラブ注入なのか、「弥栄~(いやさかぁ)」と唱えながら撒くという謎のルールをともない、バクチャーは全国各地に撒かれまくってしまいました。あーあ。 日本中の隊員はまるで「ポケモンGO」みたいに、ここにもそこにもあそこにもと地図に印を付けながら、撒いた場所をグループ内で共有していくのですが、それが過熱したのか私有地に勝手に入り、農家の溜め水に投入したことによるトラブルなどもあったようです。皇居に撒こうとする突き抜けた人まで出現する始末。 (バクチャーが撒かれた場所を記録した地図) https://www.google.com/maps/d/u/0/viewer?ll=40.778510156753455%2C138.78230096874998&z=5&fbclid=IwAR2MgplxlUj4FT-0yLWlbcQ81dc4-HfdZGaqoRQwpIzCGZiTngVZ3xXEVh4&mid=1rnpkkyRgcypvLkZgyMkZ4CkyZ-q4io31 琵琶湖にまで謎のマシン さて、この流れで驚くべきことに「近畿の水瓶」琵琶湖にもバクチャー関連の謎のマシンが設置されてしまいました。Facebook投稿によると湖のほとりに設置され、「ある日本人が発明した超音波技術」とバクチャーが融合したそうで、24時間体制で水を取り込んで循環させているとのこと。またもや関連会社の製品らしいのです。 もし何らかの「実験」なのだとしたら、日本最大の湖を機械一つでなんとかしようとする心意気だけは買いますし、個人的には思考すら放棄するような勢いを愛しています。(無理して「偏愛」の要素を入れるなって) 今現在もマシンが稼働しているのかは不明ですが、国土交通省・近畿地方整備局琵琶湖河川事務所では、この事態を懸念する令和2年の投書に対し「当該製品の散布については、SNS等で情報は把握しております。現状、水質への悪影響は確認できていませんが、引き続き関係機関と協力し、環境への影響、違法な河川使用となっていないか情報収集をしてまいります」と回答していました。 (琵琶湖河川事務所の返答はこちら) https://www.kkr.mlit.go.jp/biwako/info/faq/qlist/qlistb/b162.html とりあえず、もう4年が経っていますが、滋賀県や国は早く水質改善の結果を公表してもらうか、違法だった場合は厳しく対処してもらいたいものです。 「琵琶湖の水が海へと流れて地球を循環してどうのこうの」との投稿を見かけました。許可を得た池や水たまりに撒いて満足するぐらいにしておけばいいのに、バクチャーを信奉する方々は、本当に世界中に撒けばいいと思っているフシがありました。自然の力を信じているのは分かりますが、同時に自然をナメていると思います。辛辣な意見で恐縮ですが、海ってそんなのでどうにかできるほど小さくありませんからね。 現在もちらほら賞賛するSNS投稿を見かけますが、バクチャー自体は各通販サイトからも購入でき、60グラム5500円ほどでした。これらは自宅の池などに使えるみたいですが、今も好きな人は好きなのでしょう。 全国各地へのばら撒く活動のブームを振り返ると、水が綺麗になったかどうかは主観ばっかりでしたが、「水を綺麗にしたい」という人々の純粋さに目をつけ、撒いてなくなっていく物を延々と買わさせ続けたわけです。 地球上に水辺と善意がある限り需要が続くわけで、事の善悪などを無視すれば、ビジネスとして「うまい手」でした。 なんと大阪湾にも 最後に、大きく報じられはしませんでしたが、この黒い粉を愛する大阪府の某自治体の某市長が大阪城の濠に勝手に撒いてしまい、大阪市の担当部署に問い合わせが入るという事態も起こっていました。ばら撒くチャー隊のグループ内に某市長が謝罪した投稿が共有される形で「無許可はダメよ」的な注意喚起があり、これがいろいろなトラブルとも重なって隊員たちの元気がなくなっていったものでした。 しかしこの市長、なんと自分の市とバクチャー関連会社との包括連携協定を結んでしまいます。市議会などで異議を唱える人は誰もいなかったのでしょうか。これにより、前述の琵琶湖に設置されたあのマシンが、やはりこの市の海岸に導入されてしまっています。マジなんですよ、これが。 来年はその近隣で大阪万博が開催される予定です。大阪湾の水質改善の話など何らかの形で、ついにバクチャーにスポットライトが当たる日が来てしまうのでしょうか。公的なものが関わっているとなれば、ちょっと「純粋さ」だけでは済まされません。本当に科学的根拠をもって認められることだったのか、バクチャーを撒くブームが去った今も要注目です。

萌えきのこ【キヌガサタケ】

こんにちは。きのこが好きで好きで好きすぎて、ついには日本唯一の「きのこライター」になってしまった堀博美です。どうぞよろしくお願いします。 きのこの時代、到来 きのこ歴約30年の私から見て、今、きのこはいい感じで来つつあると思います。 従来通り風味・栄養の面から注目されるのは言うまでもなく、さらに「分解」「共生」といった自然界での重要な役割も知られるようになりました。 一方で「かわいい」「きれい」「ゆるキャラみたい」という見方もされるようになり、このごろの雑貨ブームとも相まって、きのこモチーフのグッズをよく見かけるようになりました。 私がきのこにハマった当初、きのこグッズは世の中にほとんどなく…。しかし何度か到来した「きのこブーム」のおかげで、かなりのきのこグッズが作られるようになりました。 目につくと当然買ってしまうことから、今や私のきのこグッズやきのこ服は博物館・植物園などから貸してくれと頼まれるほどになりました。きのこ服というのはきのこ柄の服全般です。なお、着ぐるみは専門外です。 近年では、きのこイベントなるものも開催されています。代表的なのが全国的に開かれる「きのこ大祭」。きのこを『見る!食べる!愛でる!』とのキャッチフレーズで、きのこ好きの、きのこ好きによる、きのこ好きのために開かれているお祭りです。 主に教育的な展覧会である「きのこ展」も、全国の植物園や博物館などで行われています。 グッズじゃない、生きたきのこに胸高鳴る でも、やっぱり、野山に生える生きのこは特別。出会った時の胸の高まり。ときめき。ああここに居てくれた、という安心、満足。居てくれると感じるのは、きのこが生き物だからでしょう。きのこは動物でもない、植物でもない、菌類という生き物なのです。 きのこは世界中に15万種あるだろうと言われますが、名前がついているのはごく一部。(現在、DNAによる新種の発見が相次いでいるので、段々とわかりつつあるかもしれません)そんな奥深い世界なのも魅力的です。 「これはぜひ、そっと触れ合ってきのこを知ってほしい!」という思いから、同人誌やサイトなどできのこについて発信するようになりました。同行した友人を次々と沼らせたりもしています。そうする内に、いつの間にかプロのきのこライターになっておりました。まあ今のところ、他にいないわけですが……。 さて、今回は「キヌガサタケ」の魅力について語ります。6月の代表的なきのこということからのチョイスです。 いきなりキヌガサタケと言われても何のことやらかもしれませんが、こんなのです。 きのこの女王、キヌガサタケ 「これ、きのこなの?」という声が聞こえてきそうですが、間違いなくきのこです。 主に竹林で、清純な感じの美しい姿をしてたたずんでいます。特にふわっと広がるレース(菌網)の部分がいい感じです。白い足(托)の透け感がたまりません。これは間違いなく萌えきのこです。レースの穴が泡状の形をしているのも、美しさの秘訣でしょう。「きのこの女王」と呼ばれるにふさわしいきのこです。 黒っぽい部分の表面についているのは、グレバという、胞子が液体になったものです。これがまた臭い。「腐肉の匂い」と表現する人もいます。これでハエなどの虫をさそい、グレバごと運んでもらうのです。実は誘惑の匂いです。 頭のてっぺんの目みたいなのも、何のためのものか分かりませんが、キュートです。 1本でもこんなにかわいいのに、群生なんかしている日にはもう、たまりません。ああ、かわいすぎる……どこを見て良いやら、目のやりどころに困ります……。 なお、中華料理では高級食材として珍重されているきのこでもありますが、特に味はなく、シャキシャキとして歯応えが良いです。けれど日本では多くの地域で希少なので(レッドデータブックに載っている県も)、あまり採らずに愛でて欲しいところ。 似て、非なるきのこ ちなみに、「スッポンタケ」というきのこがあります。 学名がファルス・インプディクス(恥知らずな男根)という、何というかそのまんまな名前です。ダーウィンの娘はスッポンタケが大嫌いで、見つけ次第焼かせたとか。 キヌガサタケも、レースがなかったらスッポンタケそのものなのですが、この扱いの違いは何でしょう。味もだいたい同じなのに。人間ってものは、どこまでも見かけに左右されるものなのでしょうか。 そもそも、キヌガサタケにはなぜレースがあるのかも分かりません。人間の美の尺度に合わせたわけでもないでしょうに。 レースが白だから萌えなのか、というとそういうわけではなく、例えば「ウスキキヌガサタケ」というきのこがあります。宮崎県で標本を見せていただいたことがあるのですが、まだ生きているものは見たことがありません。写真はネットの無料素材から借りました。 これはこれで南国フルーツ的なビタミンカラーの色味で良いですね。(フルーツじゃないけど)見ると元気が出そうです。 いつか自生しているところを見たいなあ……。 キヌガサタケへの熱い想い でも、キヌガサタケに対する想いは消えることがなく、見るだけで眼福です。ありがたいことです。 幸いにも近所にキヌガサタケが生えている場所があるので、毎年6月には見に行くことにしていました(場所によっては9月ごろに生える場合もあります)。 ところが昨年……。 その竹林に、大々的に「立ち入り禁止」の看板が出てしまいました。 たけのことキヌガサタケのどちらを守っているのか、あるいは両方か……山でのきのこ観察は私有地に入らないよう、注意が必要です。

今、Mリーグが熱い!麻雀を知らない人こそ見てほしい、ハマること間違いなしのプロリーグの魅力

どうも〜!中山ぽてと。です。 つ!い!に!買っちゃった〜!麻雀セット。 麻雀モチーフのアイテムの可愛さに衝撃を受け、興味本位で始めた麻雀ですが、なんだかんだで3か月経った今も、下手なりに楽しんでいます。 <前回記事:「麻雀」がZ世代に大ウケ!?人気の理由を麻雀アイテムから探る> https://www.maruhan.co.jp/east/media/wp-admin/post.php?post=111&action=edit これまでアプリでプレイしていたのですが、やっぱり欲しくなりますよね。実物が。 というのも、我が家には麻雀歴20年越えの年上の夫がいるのですが、彼が言うんですよ。 「麻雀を楽しむなら、皆で卓囲んで、実物の麻雀牌を触るに越したことはないよ〜」ってね。 そのときは「へぇ〜」って思っていたのですが、やっぱり麻雀セットが欲しくなってしまって…。で、買っちゃった☆ 実物に触れるために雀荘へ行っても良かったのですが、初心者の私がいきなり雀荘に行くのはハードルが高すぎて。 初心者が行くと迷惑もかかるだろうし、自分のペースで楽しむために購入を決意しました。届いた麻雀牌を触りながらニマニマする日々です。 で「麻雀セットがどうしても欲しい!」となった理由がありまして。 それが、最近隙あらば視聴している「Mリーグ」の影響なんですよね。 Mリーグは簡単に説明すると、プロ雀士たちで構成された団体が優勝を目指して戦う麻雀のプロリーグなのですが、今、私、これにドはまりしてまして…。 もちろん初心者なので、麻雀のルールもまだまだ分からないことだらけです。 なのに、なんでこんなに面白いんだろう!!!っていう。 もちろん麻雀に詳しければさらに楽しめるのは間違いないのですが、Mリーグには麻雀を知らない人でもつい応援せずにはいられない魅力があります。 なので、今日はこのMリーグについて語らせてくれませんか!!!! Mリーグにハマってまだ3ヶ月ホヤホヤの私だからこそ語れることがあるはず!! というわけで、麻雀初心者から見るMリーグの魅力を紹介します。 Mリーグとは そもそもMリーグとは何なのかをまず説明しておきます。 正式名称は「M.LEAGUE」。2018年に麻雀の社会的地位向上を目的として発足されました。『最高の個人競技が、最高の団体競技になる』がテーマになっており、このMリーグを盛り上げているのがトッププロの麻雀プレイヤーです。 トッププロの麻雀プレイヤーは計36人。1チーム4人、9つあるクラブチームのいずれかに所属しています。 https://twitter.com/m_league_/status/1703559461770793085 9団体でレギュラーシーズン、セミファイナル、ファイナルと1年をかけて戦っていきます。ファイナルに進むにつれて下位の団体は脱落。最終戦のファイナルでは4チームで優勝を争っていくのがMリーグの大まかな流れです。 本来、麻雀は個人競技ですが、1年間かけてチームで優勝を争うという新しいスタイルを持ち込んでいます。これにより、従来のタイトル戦にはなかった、「各チームが仲間とともに優勝目指して成長していく」という、これまでになかったスタイルを確立しました。 後程詳しく触れるのですが、この「個人競技でありながらチームで戦う」というのがね…!!もうたまらんのですよ!!! チーム構成 Mリーグを構成するクラブチームは全部で9つ。 https://twitter.com/m_league_/status/1568111611440934914 赤坂ドリブンズ(アカサカドリブンズ) EX風林火山(イーエックスフウリンカザン) KADOKAWAサクラナイツ(カドカワサクラナイツ) KONAMI麻雀格闘倶楽部(コナミマージャンファイトクラブ) 渋谷ABEMAS(シブヤアベマズ) セガサミーフェニックス TEAM RAIDEN / 雷電(チームライデン) BEAST Japanext(ビーストジャパネクスト) U-NEXT Pirates(ユーネクストパイレーツ) 選手紹介をしたいところですが、これだけで一晩は余裕で語れてしまうため今回は割愛します。各チームの所属選手については公式サイトをご確認ください! ▼M.LEAGUE クラブチーム一覧 ルールはわからなくても楽しめる! 簡単にMリーグの概要を説明したところで、本題に入ります。 完全に私の意見なのですが、Mリーグって「麻雀のルールはわからないけどなぜか楽しめる」これに尽きるんです。 私が麻雀をやってみたいと思ったきっかけも、Mリーグを見たから。いつの間にか食い入るように視聴し、推しの選手ができ、箱推しになり、気づけば3か月にしてヲタクが完成していたわけです。 ちょうどMリーグを見始めた3月ごろは、レギュラーシーズンが佳境を迎え、セミファイナルに向けてバチバチやっているときでした。いい大人が真剣にプレーする姿に釘付けになってしまったのです。 ルールがわからないにも関わらずMリーグの虜になった要因は次の2つ。 チームそれぞれにドラマがある 選手の個性や戦略がすごすぎる この2つを語っても良いですか? 見どころ1:チームそれぞれにドラマがある https://twitter.com/m_league_/status/1692727289904337057 前述した通り、本来麻雀は個人競技なんですよね。それをあえて団体競技にしたことで、スポーツ観戦をしているかのごとく、選手やチームと一緒に一喜一憂できるのがMリーグの魅力です。 推しのチームを応援し、選手の得意なプレイスタイルを把握。そして、相手チームの情報収集をして、競技中は試合経過にドキドキハラハラ…。勝っても負けてもチームの健闘を称えることができるのは、さながらプロ野球やJリーグを見ているかのようです。 野球やサッカーだって、大まかなルールしか知らなくても楽しめますよね。あの感覚に近いのかもしれません。 野球やサッカーのような競技中の派手さこそないものの、相手の手牌が見えないため開始早々に相手選手が上がったり、1巡する間に形勢逆転なんてこともあります。競技中息つく暇がないんですよね。 素人目にもこれは劣勢なんじゃないか、というところから逆転するところなんて脳汁もんです。毎回ではないのですが、Mリーグ史上に残る熱いゲーム展開があることも。 それこそ詳しい役は分からないけれど、解説と実況の上手さもあいまって夢中で見てしまうんですよ! そして、チームごとに個性があるのも見どころポイントです。例えば、EX風林火山を一言で表すなら「圧倒的安定感」、渋谷ABEMASを一言で表すなら「キャラが濃い」とか。 守りが上手いチーム、攻めが上手いチーム、王道の打ち方をするチームなどさまざまなので、麻雀の知識を持たなくても、見ているうちにきっとお気に入りのチームが見つかるはずです! 見どころ2:それぞれの選手の個性がすごい Mリーグには現在36名の選手が在籍しています。そして、その選手たちの個性がすごいんです。 例えば、俳優でもある雷電所属の萩原聖人プロ。麻雀の腕前は芸能界でもトップクラスで、競技中も渋くてカッコいい。 https://twitter.com/m_league_/status/1707308457962205381 そして男女ともにファンが多い、サクラナイツ所属の岡田紗佳プロ。雀荘を経営していた祖母のもとで育ち、バラエティタレントとしても人気です。 https://twitter.com/m_league_/status/1514558284337872898 私が実物の麻雀牌が欲しいと思った理由が彼女で、岡田選手は牌を引くときに盲牌と呼ばれる指で図柄を確かめる行為をするんですよね。 その仕草がめちゃくちゃかっこよくて、私もしてみたいと思ったのがきっかけなんです。 そして、私の推し。渋谷ABEMASの絶対エースの多井隆晴プロ。彼のおかげでMリーグにハマりました!!!! https://twitter.com/takaharu_ooi/status/1772564468536332518 多井さんってね、自分の魅せ方を本当によく分かっていて、競技中も控室も、プライベートもすべてが面白いのよ。 プロリーグで麻雀を打つとなると、厳かな雰囲気で皆ポーカーフェイスで競技すると思うじゃないですか?この人、競技中にめちゃくちゃ顔に出るし、普段のトークも本当に面白いんですw 相手にアガられたときの表情なんてたまらないですねw https://www.youtube.com/watch?v=qIgpBqLUhBk あと、この回の実況でいじられている多井さんも好きw https://www.youtube.com/watch?v=AX5e2z9ihGc 麻雀のルールは分からなくても、人柄から興味を持ってMリーグを楽しむのもアリです! 最後に Mリーグにハマってまだ日は浅いですが、それでも選手同士の駆け引きや推しのチームが勝ち上がっていく姿を見るのがとにかく楽しい! 発足してまだ6年なのに、この面白さ。 今後もますますMリーグから目が離せません! ちなみに、Mリーグの2023-24年シーズンは5月に終了しましたが、オフシーズンの6~8月にかけて個人トーナメントの「Mトーナメント」が開催されます! 盛り上がること間違いなしのMトーナメントもぜひチェックしてみてくださいね!

むしろ男性にこそ薦めたい傑作ファンタジー少女漫画『Landreaall』を推して推して推しまくる。

偏愛・脳汁を語るサイト「ヲトナ基地」では、多数の「愛しすぎておかしくなるほどの記事」をご紹介してまいります。ヲトナ基地で今回紹介する記事は「むしろ男性にこそ薦めたい傑作ファンタジー少女漫画『Landreaall』を推して推して推しまくる。」。海燕さんが書かれたこの記事では、マンガへの偏愛を語っていただきました! とくに男性の場合、ふだんから相当にマンガを読んでいても、少女マンガだけは手を出さないという人は少なくないだろう。 そういう人のなかでは少女マンガというジャンルはいわゆる「男性向け」の作品とはまったく異なる作風と考えられているようだ。 どうせ他愛ない恋愛マンガばかりなのだろうといった偏見もあるのかもしれない。 しかし、どうせマンガを読むのなら少女マンガに触れないことはいかにももったいない。少女マンガは「男性向け」マンガ以上に、歴史を超える名作傑作の宝庫なのだから。 今回はそういった「女性向け」マンガの世界から、おがきちかの冒険ファンタジー『Landreaall』を取り上げたい。 https://www.youtube.com/watch?v=071lvtTxzsE&ab_channel=ichijinshaPV 既刊40巻以上!じつは男性にも入りやすい絵柄、物語、設定。 このマンガ、すでに40巻を超える物語が積み上げられている作品ではあるが、一部のコアなマンガ読み以外にはあまり広く知られていないように思える。テレビアニメ化されたわけでもないし、並はずれたベストセラーというわけでもない(OVAは一作作られている)。 しかし、この作品は紛れもなく破格に面白い。じつはそもそも「少女マンガ」という括りに入れて良いのかすらわからないところもあるのだが、「女性向け」の作品であることは間違いないからここではそのジャンルの作品とみなすことにしよう。 とにかく少女マンガに何らかの偏見を抱いている向きにはぜひ読んでいただきたい一作である。 おそらく男性読者にとってもなじみやすい作風だし、また、ひとつのエンターテインメント作品として傑出していることがわかるはずだ。 物語は主人公DX・ルッカフォートと、その妹イオンの「ドラゴンとの戦い」から始まる。最初の三巻をかけて、かれらがどのように封印されたドラゴンと対決し、そしてかれを解放するか、そのプロセスが描かれる。 「竜退治」といえばファンタジーの王道にして定番の展開だ。ここまではひとまず、「ザ・ファンタジー」のような内容といっても良いと思う。 ところが、そのようにしてドラゴンを倒したDXは、お姫さまを助け出すどころか失恋し、その結果、人生の目標を見失ってしまう。 そして、広い世界を見るべく王都の〈アカデミー〉に入学する。何とここで竜退治から一転し、学園ものが始まってしまうのである。 じつはここまではその後の長い物語のプロローグであるに過ぎなかったというわけ。『Landreaall』が物語として真価を発揮し始めるのはここからだ。 一気にキャラクターの数が増えて、卓抜な群像劇がくりひろげられる。そして、また、DXはドラゴン退治以上に困難な問題、つまり複雑に絡まりあった人の思惑を解きほぐすことに挑戦する。 それにしても、このDXというキャラクターについて、どのように解説したものだろう。 いかにもひょうひょうとして捉えどころがない性格の、一見すると何も考えていないようにすら見える若者なのだが、じつは非常に深いところまで物事を見て考えていることが、物語が先へ進むにつれてあきらかになっていく。 決して「海賊王に俺はなる!」と叫んだりするタイプではないが、じつは王位継承権第四位をもつ王子でもある。 ドラゴンを解放したあとすっかりやる気をなくしてしまったかれが空の王位を巡る陰謀に巻き込まれ、それを解決するという展開は、意外性があって興味をひく。 そして、そこへさらにかれの父がなぜ王位に就かなかったのかという「革命の真実」を巡るなぞが絡む。 物語はきわめて複雑かつ重層的に組み上げられている。その構成力は傑出したものだ。先へ進めば進むほどさらに登場人物の数は増え、いよいよ『HUNTER×HUNTER』ばりの群像劇が展開することとなる。 ひと筋縄ではいかないような個性的なキャラクターが次から次へと出てきては、その役割を果たしていく展開は、まさにファンタジーマンガの醍醐味。 恋愛要素もあることはあるが、決してそれだけの作品ではない。むしろ、謎、冒険、戦い、恋愛、幻想と優れた物語に必要なありとあらゆる要素をぎゅっと詰め込んだ正統の娯楽活劇なのだといいたい。 それぞれに背景と思惑を抱えたさまざまな人たちとの出逢いと別れを通し、DXとイオンは、基本的な性格こそ変わらないものの、少しずつ人間的に成長していく。その成長物語としての筋書きも読みどころのひとつだ。 https://twitter.com/comic_zerosum/status/1702260904426148156?s=20 壮大な群像劇「アカデミー騎士団編」 そういった連綿たるストーリーのなかでも、わたしが最高に盛り上がったエピソードとして取り上げたいのが、第12巻から第13巻にかけて収録されている「アカデミー騎士団編」だ。 あるとき、DXやイオンたちが通うアカデミーをまったく情報のないモンスターが襲うところから始まる話で、たまたま騎士団が不在であったことから、その場の弱い者を守るため、アカデミーの生徒たちが立ち上がるさまが描かれる。 アカデミーには騎士候補の生徒も在籍しており、かれらは未熟で無力であるにもかかわらず、その義務を果たすために戦うのである。 しかし、本来ならその地位の面からも資質の面からもリーダーになることができるはずのDXもまたある理由で不在、残された生徒たちは命をかけて重大な決断を迫られることとなる。 そして、それでもなお、かれらは身分も出身も超えて協力しあい、最後のひとりが斃れるまで戦い抜くことを誓うのである。 そこへ〈スピンドル〉と名づけられたモンスターの正体をめぐる謎が絡み、急遽、リーダーとして選ばれた大貴族のティ・ティの命令のもと、ひとりひとりの生徒たちは戦略的に戦ってゆく。 頼れる大人はどこにもいない。たったひとり実戦経験があるDXもどこかへ行ってしまっている。その過酷な状況下で急ごしらえの「アカデミー騎士団」が結成され、〈スピンドル〉との壮絶な戦いがくりひろげられる。 アカデミーに残っていたイオンがあたかも主君の姫君のようにかれらの勇気を鼓舞し、少年たちは本物の騎士のように戦うのだ。最後のひと羽が落ちるまで! これは、燃える。めちゃくちゃ燃える。あまり性差にこだわることも良くないかもしれないが、おそらく男性読者にこそウケが良い展開であるだろう。 この作品を多くの男性マンガ好きたちが知らないままになっている現状はほんとうにもったいない。もし、あなたがこの作品を未読で、ファンタジーが好きなら、いまからでも遅くないからぜひ読んでみてほしい。最高にシリアスでいてポップ、胸躍る冒険がそこにある。 さらに興味深いのは、このとき、アカデミー騎士団として戦った生徒たちが、のちのちまでその経験を活かして活躍していることである。 かれらはやがて貴族として、あるいは商人として、そうでなければただの平民としてその国を担う人材たちであるわけだが、この〈スピンドル〉襲来の事件を契機として、どのような国を作っていけば良いのか真剣に考える。 はたしてDXやイオンが王位に就くことになるのかどうかはまだわからないが、もしそのようなことになるときが来たら、かれらはその統治のもと、アカデミー騎士ならぬ本物の騎士や一流の商人として、その役割を果たすことになるのかもしれない。 ここら辺のじつに壮大で遠大な構想もまた、未読の男性読者にこの作品を知ってほしいところだ。ようするに一本のファンタジーマンガとして、素晴らしく出来が良い作品なのである。 ただ、いわゆる「王道」の物語にひとひねりを加えてあるストーリーなので、このマンガを好んで読むのはふつうのファンタジーに飽き飽きしたようなタイプの人になるだろう。 ただのドラゴン退治では物足りない、革命によって空になってしまった王位を巡ってくりひろげられる、さまざまな陰謀が絡み合い、数々の思惑が激突しあう、長い長い物語を読みたい、そんな人にこそまさにオススメできる作品だ。 少なくともその描写の深みはたとえば『ダンジョン飯』や『葬送のフリーレン』あたりと比べてもまったく劣らない。 https://twitter.com/comic_zerosum/status/1409355876603891714?s=20 巧緻をきわめる伏線! 複雑この上ない世界! もうひとつ、『Landreaall』の大きな魅力になっているのが、伏線の巧みさと世界設定の複雑さである。 この作品では、数巻、数十巻をかけてとどく伏線がざらにある。じつに何げなく登場した設定が、あとのほうで意外な形で展開して強烈なサプライズを生む、そのようなことはしょっちゅうだ。 作者がどのくらい周到に計算しているのかはわからないが、少なくとも相当に深くまで世界を掘り下げて設定してあることは間違いない。そうでなければ、こうまで綺麗に伏線が敷かれ回収されることはありえない。 じっさい、この作品は「まさか、あのちょっとした展開がここでこう物語に影響してくるとは!」という展開ばかり。 そもそも『Landreaall』というタイトルを見て、何を意味しているのか気になった方も少なくないのではないだろうか。 ふつうに考えるなら、とくべつ深い意味のない雰囲気だけの造語とも思える。ところが、物語が進むこと30巻あたりで、ようやくその真の意味が明かされるのである! そんなのってあり? 規格外の超々遠距離伏線としかいいようがない。 その意味でも『HUNTER×HUNTER』が好きな人はこのマンガを読んでみるべきだと思う。 一見するとまったく違う作風に見えることだろうが、その、複雑な物語を端正に構成していく秀抜なストーリーテリングのスキルにはどこか似通ったところがある。 じっさい、30巻代後半から40巻代にわたって延々と続く「ダンジョン編」では、国家のさまざまな社会階層を形成するあらゆる人物たちが入れ替わり立ち代わり活躍し、『HUNTER×HUNTER』の「キメラアント編」に比肩する複雑さを見せる。 もちろん、その中心にいるのはダンジョンの奥深くまでもぐったDXであり、またかれのことを追いかけるイオンであるのだが、かれらを直接に間接に援助するため、膨大な人々が絡み合う。 「いわゆる少女マンガ」にバイアスを持っている人たちの想像を絶するであろう複雑巧妙なプロット。いったいどうやって構想し計算しているのか、想像もつかない。 また、一人ひとりのキャラクターも魅力的で、いわゆる「キャラ萌え」で追いかけるだけでも十分に楽しめる。 ちょっとひねくれた連中が多いから一般的な美形ぞろいの「キラキラ少女マンガ」とはまたすこし違う作風ではあるのだけれど、だれもかれも素晴らしい個性を備えている。 いかがだろう、読んでみたくなっただろうか。少女マンガの世界は広く、『Landreaall』の「沼」は深い。そのほとんど底なしの沼に、あなたもいっしょに嵌まってみてはどうだろうか。 そこには、広大無辺な幻想と冒険の大地が広がっていて、いまも、あなたの到来を待ち受けているのである。