18年ウイスキーを愛飲した人間が、2000円以下でおすすめできる8本【2024年最新版】
目次
- ボトル2000円以下のおすすめウイスキーを提案する前提として
- 2000円以下のおすすめウイスキー(1) クレイモア
- 2000円以下のおすすめウイスキー(2) ネヴィス・デュー
- 2000円以下のおすすめウイスキー(3) デュワーズ ホワイトラベル
- 2000円以下のおすすめウイスキー(4) カティサーク プロヒビション
- 2000円以下のおすすめウイスキー(5) エンシェント・クラン
- 2000円以下のおすすめウイスキー(6) ジェムソン スタンダード
- 2000円以下のおすすめウイスキー(7) ティーチャーズ ハイランド クリーム
- 2000円以下のおすすめウイスキー(8) ハディントンハウス
- では、ウイスキーに予算を投下すると何が起きるのか?
こんにちは、ウイスキーを愛してやまないトイアンナです。
以前、ボトル5,000円以下で美味しいウイスキーを紹介したところ「高すぎる!」との声がでまして……。
確かにヲタクは予算感を無視して高いものばかりすすめがち……と反省いたしました。
そこで今回は、1本2,000円以下で楽しめるウイスキーボトルを紹介いたします!
無論「飲めたら何でもうまい」みたいなすすめ方はしません!
ちゃんと全部飲んで、美味しいと言えるものを紹介しています!
ボトル2000円以下のおすすめウイスキーを提案する前提として
著者はイギリスのウイスキーが好きでして、どうしてもイギリスのウイスキーばかり紹介しがちです。その偏りは今回、お許しください。
ウイスキーは台湾やインドでも生産されており、しかも美味しいと評価が高まっています。日本の山崎も世界中からの人気が殺到し、値段はうなぎのぼり。ますます激戦となるウイスキー市場ですが、何年も樽で寝かせる製品である以上、生産コストがその分高くなるのは仕方ないといえます。
それでもアンダー2,000円で売るのだから、そこにはとてつもない生産者と流通業界の努力がある前提で、楽しんでいただければ幸いです!
2000円以下のおすすめウイスキー(1) クレイモア
CLAYMORE 700mL
出典:Amazon クレイモア
まずは、ゲール語で剣を意味する「クレイモア」の名を冠したウイスキーから。ウイスキーには1つの原酒だけを入れるものと、さまざまな原酒をブレンドするものがあります。そして、ブレンドするウイスキーにおいては、そのレシピを作る人間の腕がものを言います。クレイモアのブレンダーは、リチャード・パターソン氏。大手ホワイト&マッカイ社で26歳にてチーフブレンダーに選ばれ、そこから50年もエースを続ける神ブレンダーです。
さて、そんな神の創りしクレイモアですが、甘くて渋くてスモーキーと、なんとも多様性あるテイストです。よく言えば個性がはっきりしており、悪く言えば好みが分かれます。安いお酒では「とにかく甘い」といったわかりやすいテイストが増える中、この価格で複雑味のある味わいを作れたことが驚きです。個人的には渋みを減らすため、ソーダ割りで飲むのがおすすめ。
2000円以下のおすすめウイスキー(2) ネヴィス・デュー
Nevis Dew 700mL
イギリスのベン・ネヴィス蒸留所で生産されているウイスキーです。日本メーカーは多数の蒸留所を買収しており、日本社製・外国生産のウイスキーが多数あります。そんなところも、日本で多種多様なウイスキーが手に入る遠因かもしれませんね。
とにかくバランス型で、あっさりとした味わいが特徴。少しバニラっぽさがありますが、全くきつくありません。日本の梨や、採れたてでシャキシャキな状態のリンゴを思わせる、フルーティな香りも混ざります。舌の当たりもまろやかで、度数の高いお酒を飲むのが初めて、という方にとって安心して試せる一杯となるでしょう。割るときはかなり濃い目に割らないと、もとの味が消えますので注意。
2000円以下のおすすめウイスキー(3) デュワーズ ホワイトラベル
Dewar’s White Label 700mL
出典:Amazon Dewar’s デュワーズ ホワイトラベル
この価格帯でデュワーズ入れなかったらモグリでしょ! というくらい有名なお酒です。イギリスのウイスキーのなかでも、トップクラスの売上を誇ります。日本でもカクヤスやコンビニで手に入る手軽さ! そして味も美味しい! 本記事では8本おすすめを並べていますが、まず飲むならこれでしょ! という1本です。ちょっとこの項目だけ長文になりますよ! ごめんなさいね!
このウイスキーはイギリス・スコットランドのデュワーさんが作ったから、「デュワーズ」と名付けられました。「吉野屋」みたいな感じですね。ウイスキーをブレンドするときは味の鍵となる「キーモルト」が全体の軸を決めるのですが、デュワーズには「アバフェルディ」というキーモルトが使われています。このアバフェルディが、悶絶するほどうまいんだ……っ!!!
それなら大元のアバフェルディを買えばいいじゃん、という話になるのですが、アバフェルディはまさかの2024年に終売決定。今後は、デュワーズに大元の香りをたどっていくしかないようです。
その味は滑らか。ナッツ、チョコレートと「ウイスキーならではの味わい」がひととおり楽しめます。後味もよく、ベタつかずに程よい香りがふわっと残ります。
また、ソーダ割りにしても全く味が崩れません。デュワーズの香りと味わいそのままに、ドライな感覚を楽しめます。ストレート、水割り、ロック、ソーダ割り、全てに耐える珍しいウイスキーです。
2000円以下のおすすめウイスキー(4) カティサーク プロヒビション
CUTTY SARK 700mL
出典:Amazon CUTTY SARK(カティサーク) プロヒビション
カティサークはもともと、禁酒法時代のアメリカへ密輸するために生まれたお酒です。1920年、アメリカは禁酒法を導入します。その結果、密造酒や密輸されたお酒が大量に出回り、かえって治安の悪化を招いたのです。密輸時代から名前を売り、1933年の禁酒法撤廃と同時に爆発的に売れたのが、このカティサークでした。タイトルにProhibition(禁酒法)を冠したこのボトルは、禁酒法撤廃80年を記念したものです。
アルコール度数は高めの50%。初めてのウイスキーには向かないかもしれません。味わいはボトル裏面に記載のとおり、トフィー(キャラメルっぽいお菓子)の甘さと、徐々にコショウのスパイス感が広がります。甘さがありながら、ベッタリとせず余韻は駆け足で去っていきます。だからリッチなのに飲みやすい、おもしろいテイストです。おすすめの飲み方はロック。爽やかな甘さが際立ちます。
2000円以下のおすすめウイスキー(5) エンシェント・クラン
Ancient Clan 700mL
ウイスキーにはピート香と呼ばれる、泥炭の香りがあります。うまみに貢献するのですが、クセも強いのでありすぎると飲みづらい。そのバランスをうまくとっているお酒が、エンシェント・クランです。王道のブレンドされたウイスキーの味がします。なお、キーモルトとしてトマーティンが書かれていますが、トマーティンの味は一切しないので玄人はがっかりしないように。メインの原酒を24種もブレンドしている、非常に複雑な構成のウイスキーです。
特徴的なのは味わいの重さ。カラメル、ラムレーズン、スモーク、ピート香といった、重めの味わいが続きます。余韻はそれでいてアッサリしており、ウイスキーのどしっとした感じを味わいたいならまずおすすめと言えるでしょう。おすすめの飲み方はグラスを冷やしたうえでのロックかソーダ割り。「初めてのブレンデッド・ウイスキー」としておすすめしやすい1本です。
2000円以下のおすすめウイスキー(6) ジェムソン スタンダード
JAMESON Standard 700mL
出典:Amazon JAMESON (ジェムソン) スタンダード
ジェムソンは世界5位の売上を誇る、トップセラーです。材料にフランス南部の大麦とトウモロコシ、そしてアイルランドのダンガーニー川の仕込み水を使い、各地の名産品が合体して生まれました。
割って飲むときにおすすめのウイスキーで、おすすめはジンジャーエール割り。ジェムソン30mLへ冷やしたジンジャーエールを注ぐだけという、シンプルすぎるほどのレシピがとにかく美味しいです。ソーダ割りにすると揚げ物との相性も抜群で、天ぷら、串カツ、唐揚げといった油多めのメニューに、さっぱりした清涼剤として働いてくれます。また、まさかのお湯割りも美味しい。世界中で売れているだけあって、柔軟に扱えるウイスキーです。
2000円以下のおすすめウイスキー(7) ティーチャーズ ハイランド クリーム
TEACHER’S HIGHLAND CREAM 700mL
出典:Amazon TEACHER’S(ティーチャーズ) スコッチウイスキー ハイランド クリーム
私が家でばかすか飲んでいるウイスキー。たまにラーメン屋で「独学でレシピを作ったら大ヒット」という店舗がありますが、このティーチャーズも同じで、創業者が貧しい出自から独学でウイスキーのブレンドを学び、発売に至りました。とにかく美味しい。美味しい!
味の秘密はキーモルトの含有量。味の主軸となるキーモルトは、含有量を増やせば原価が上がります。他社が30%程度しか入れないキーモルトを、ティーチャーズは45%以上配合。とんでもないことです。香りは少しだけスモーキー(燻製っぽさ)がありつつも、洋梨のフルーティさが覆います。やさしい喉ごしに、豊かなコク。余韻も穏やかで、全体的に優しいウイスキーです。アルコール感が少ないので、飲み過ぎ注意。おすすめはロックかソーダ割り。ソーダ割りを作るときは濃いめでどうぞ。
2000円以下のおすすめウイスキー(8) ハディントンハウス
Haddington House 700mL
出典:Amazon Haddhington House ハディントン・ハウス スコッチウィスキー
ハディントンハウスは美味しいのですが、ちょっと曲者です。というのも、抜栓直後は正直あんまり……おいしく……ないから……。(あくまで経験談です)ところが、です。こいつは抜栓してから放置すると、謎の美味しさを発揮します。特に半年以上放置すると、濃厚で甘みを感じるウイスキーに化けるのです。
ウイスキーは常温保存が可能ですが、抜栓してからそのままでいると、少しずつ酸素に反応していきます。そして、放置期間によって味わいが変わっていくのです。水割りにすると、あっさりめが好きな人にもちょうどいいまろやかさを感じられることでしょう。
なお、常温保存とは15℃~30℃を指す言葉なので、普段エアコンを使う部屋に置いてあげてください。真夏の納戸に放置して、どうなるかは保証できません。
では、ウイスキーに予算を投下すると何が起きるのか?
最後に、「これだけ美味しいウイスキーが、2,000円以下で買えるのに、わざわざそれ以上のお金を払う価値って何?」という話をいたします。
2010年ごろ。私は人生に絶望していました。
親との不和。犯罪被害。失恋。当時はとにかく、死ぬことを考えていました。
そんな私を見かねた姉が、食事に誘ってくれました。それが、あまりにも美味しかった。食事だけでなく、そこで出されたウイスキーが、甘くて、ビターで、軽やかで、余韻は長く、時が止まるような味でした。いや、実際に止まった。飲む前と飲んだ後で、確実に私の人生は塗り替えられてしまった。あれから私は、2度目の人生を生き始めたのです。
だから、そこに書かれたラベルを丸ごと脳裏に焼き付けました。
PORT ELLEN 1981 23 YEAR OLD SHERRY CASK(ポートエレン 1981 23年 シェリーカスク)
今では定価27万円のボトルですが、しかし、確かにあれに、私の人生は変えられてしまったのです。
もし、人生に行き詰まったら。
とびきり高いウイスキーは、あなたの人生を根本的にひっくり返してくれるかもしれません。
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