初心者向け解説つき!機動戦士ガンダムの2025年最新作「ジークアクス」最速レビュー
目次
- 機動戦士ガンダムシリーズ最新作「機動戦士Gundam GQuuuuuuX (ジークアクス)」とは
- 機動戦士ガンダム2025年最新作「ジークアクス」以前のシリーズ作品の動向
- ガンダムの最新作「ジークアクス」はどんな作品?あらすじ・設定・キャラクター
- 機動戦士ガンダムシリーズ最新作「ジークアクス」映画館最速視聴レビュー ネタバレなし版
- 初心者必見!機動戦士ガンダムシリーズの基礎知識
- シリーズをもっと楽しもう!機動戦士ガンダムの基礎用語解説
- 「ジークアクス」を楽しむためにおすすめできる、機動戦士ガンダムシリーズを見る順番は?
- ガンダムファンが最新作「ジークアクス」公開前にSNSで見せている反応
- 最新作「機動戦士ガンダム ジークアクス」を入り口にガンダムの世界を極めよう
- 最新作 「ガンダム ジークアクス」関連グッズ・イベント情報
- 【閲覧注意】「ジークアクス」映画館で視聴した最速レビュー ネタバレあり版
こんにちは、アニメヲタクになって早25年となる、ライターのトイアンナです。今回、日本アニメ史において最も偉大な作品の一つである「機動戦士ガンダムシリーズ」の最新作「機動戦士Gundam GQuuuuuuX (ジークアクス)」を公開初日に視聴してきました。その熱い思いが冷めぬうちに、最速でレビューをお届けします。
機動戦士ガンダムシリーズ最新作「機動戦士Gundam GQuuuuuuX (ジークアクス)」とは
「機動戦士Gundam GQuuuuuuX (ジークアクス)」は、ガンダムシリーズの2025年最新アニメです。本作はスタジオカラーと、歴代のガンダムシリーズを制作してきたサンライズによる初の共同制作作品であり、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズの鶴巻和哉氏が監督を、庵野秀明氏と榎戸洋司氏が脚本を担当しています。
ジークアクスの主人公は、女子高生のアマテ・ユズリハ。声優として「宝石の国」でフォスフォフィライトを、「響け!ユーフォニアム」で黄前久美子を演じた黒沢ともよ氏が出演します。ここまで超ビッグネームが並ぶのは、機動戦士ガンダムシリーズでも嬉しいサプライズ。スタッフ・キャストが発表された段階から界隈がざわつく注目作です。
2025年1月17日(金)から劇場先行版「機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-」が426館(IMAX 52館含む)で上映され、主題歌は米津玄師氏の「Plazma」が起用されています。日本テレビ系列での放送も予定されており、ガンダムファンの大きな期待を集めている作品となっています。
「機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-」が公開されている劇場一覧
機動戦士ガンダム2025年最新作「ジークアクス」以前のシリーズ作品の動向
さっそく著者の私見ですが、近年の機動戦士ガンダムシリーズは「新規視聴者を獲得する」ことを意識した作品を展開していたように思います。というのも、2020年以降の新作には他分野で活躍する方とのコラボレーションや、新しい技術を活用したアニメーション作品が多く見られるからです。
まずは2020年、初代「機動戦士ガンダム」40周年を記念したWebアニメ「機動戦士ガンダムG40」が公開されました。本作はポルシェやフェラーリのプロダクトデザイナーとして勤めた奥山清行氏らが率いる「KEN OKUYAMA DESIGN」が主導し、機体各部のフォルムに大きく手を加えた意欲作です。
そして、2021年には 富野由悠季氏の原作小説をもとに「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」が、2022年には「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」が劇場公開されました。
また、過去の作品のリマスター版や特別編も制作されており、2022年には「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 特別編」が放送されました。これは2015年に放送された「鉄血のオルフェンズ」の一部エピソードを9回に再編集したダイジェストに、新たなオープニング映像も追加されたスペシャル版です。
同時に2022年から2023年にかけては、TVシリーズ「機動戦士ガンダム 水星の魔女」が放送されました。本作はロボットアニメとしても異例の女性2人の主人公だったこと、同性婚をテーマにしたストーリーが話題を呼びました。
さらに2024年には、ガンダムシリーズ初のVRアニメ「機動戦士ガンダム:銀灰の幻影」と、Netflix独占アニメ「機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム」が制作されました。
四方八方へと展開される、機動戦士ガンダムの新作ラッシュ。2020年以降はプロダクションを超えたり、現実のプロダクトデザイナーと連携したりと、これまでにない試みが多数見られました。その結果、これまで機動戦士ガンダムシリーズに触れてこなかった層へアプローチできる作品が増え、「閃光のハサウェイ」「鉄血のオルフェンズ」「水星の魔女」はいずれもSNSでトレンド入りを重ねたヒット作となりました。
満を持して登場した2025年の最新作が「機動戦士Gundam GQuuuuuuX (ジークアクス)」です。ガンダム以降、ロボットアニメ最大のヒット作ともいえる「エヴァシリーズ」を生み出した監督と脚本家を起用した衝撃は、ガンダムファン、エヴァファンの両者を震撼させました。ガンダムはどこまで進化し続けるのか。予期せぬコラボレーションのさらなる一歩を踏み出したのが、最新作のジークアクスと言えるでしょう。
ガンダムの最新作「ジークアクス」はどんな作品?あらすじ・設定・キャラクター
ガンダム最新作へ至るまでの盛り上がりを語ったところで、ここからはジークアクスの物語に触れていきましょう。
「機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)」は、宇宙のスペース・コロニーを舞台に、若者たちの冒険と成長を描く物語です。
ガンダム最新作「ジークアクス」のあらすじと設定
物語は、スペース・コロニーで平穏に暮らす女子高生アマテ・ユズリハを中心に始まります。アマテは戦争難民の少女ニャアンとの出会いをきっかけに、非合法なモビルスーツ決闘競技「クランバトル」に巻き込まれることに。
そこで、アマテは「マチュ」というエントリーネームでジークアクスというモビルスーツ(注、ガンダムシリーズでは搭乗するロボットのことを、モビルスーツと呼びます)を操縦し、激しいバトルに身を投じていきます。
同時に、宇宙軍と警察から追われている謎の少年シュウジ・イトウと、彼が操縦する正体不明のモビルスーツ「ガンダム」が物語に登場します。
なお、ジークアクスでは、これまでのガンダムシリーズと異なり、初めてタイトルの「機動戦士ガンダム」を「機動戦士Gundam」と表記しています。
さらに「ジークアクス」という言葉は、ドイツ語の ”Sieg”(勝利)と英語の “axe”(斧)を組み合わせた造語の可能性があります。というのも、初代「機動戦士ガンダム」にて国民が士気を高める「ジーク・ジオン」という掛け声があったためです。ガンダムヲタクとして知られる庵野秀明監督がかかわっている以上、「ジーク」というフレーズは意図的に採用したと見ていいでしょう。また、ドイツ語を多用するのは「エヴァ」シリーズから踏襲されたスタジオカラーのお家芸とも言えるため、期待が高まります。
ガンダム最新作「ジークアクス」の主要キャラクター
ジークアクスの劇場版公式サイトでは、ごく限られた登場人物だけが公開されていました。2時間尺が多い映画でも、ここまで登場人物が絞られているのは珍しいといえます。
アマテ・ユズリハ:主人公の女子高生。「マチュ」という名でクランバトルに参加。
ニャアン:戦争難民の少女。アマテとの出会いが物語の発端となる。
シュウジ・イトウ:謎の少年。「ガンダム」のパイロット。
劇場公開前の段階では、ここまでしか明らかになっていませんでした。なお、すべてのネタバレをご覧になりたい方は、記事の最下部にネタバレレビューがありますので、ご覧ください。
ガンダム最新作「ジークアクス」の時代背景
さて、「ジークアクス」では、物語の約10年前に戦争があったとされ、ニャアンのような戦争難民が存在しています。また、告知による「世界は新たな時代を迎えようとしていた」という描写から、さらなる紛争、革命、同盟関係が生まれることが示唆されます。まさかエヴァンゲリオン旧劇場版のように、内面世界の影響が世界の命運を握るなんてことはない……ですよね?
もう予告編のフォントが完全にエヴァンゲリオンすぎて、不穏なのですよね……。
機動戦士ガンダムシリーズ最新作「ジークアクス」映画館最速視聴レビュー ネタバレなし版
さて、カラーとサンライズがコラボレーションを果たしたガンダム最新作に不安を抱きつつも、劇場で視聴した感想を書きましょう。
ここでは【ネタバレなし】で感想を書いています。【ネタバレあり】版をご覧になりたい方は、この記事の最下部までお進みください。自己責任でお願いいたします。
結論、とんでもないものが世に出てしまったと思います。まさか37年も生きてきて、「人生で一番面白かったアニメ作品」を塗り替えられると思っていませんでした。傑作とか、名作とかいった言葉はすべて陳腐です。この作品は間違いなくアニメ史に残ります。というよりも、アニメ史にくさびを打ち込みに行っている節すらあります。
鶴巻和哉監督とは、間違いなくこの作品が代表作として刻まれると思っています。(この発言がどれほどヘビーな覚悟を決めて書かれているかは、エヴァシリーズの生みの親のひとりが鶴巻監督であることからお察しください)
この作品を「視聴する前」と「視聴した後」で、私の世界は塗り替えられてしまいました。映画館の最寄り駅にあるJRの駅改札は輝きに満ち、コックピットに乗ったまねをしながら歩きました。いいんだ、もう、人からどう見られるかとか、そういうのは。
開始数秒でネタバレになる作品なのですが、どうしても語りたい2つのポイントがあります。ひとつは、制作陣。
最新作のガンダム「ジークアクス」は日本の名だたる制作会社が集うオーケストラ
本作はカラーとサンライズの合作……とだけ考えて挑みましたが、不正解でした。エンドロールには「物語シリーズ」を手掛けたシャフト、「キルラキル」で名をあげたトリガーの名前が。そういえば、トリガー所属のすしおさんはエヴァンゲリオンの制作メンバーでしたね……。そう、これは日本全国に存在する、アニメ制作会社のトップアスリートを集めて演奏されるオーケストラ。マジで、ここにいないのって京都アニメーションくらいではないですか?
「初めてガンダム」を観る人にも親切なストーリーライン
ジークアクスの感想をうっかりXで見ようものなら、旧来のオタクの悲鳴、絶賛、阿鼻叫喚でうるさくってしかたないはずです。しかしながら、本作は「生まれて初めてガンダムを観ます」という方にも親切な設計になっています。
最初にどういう設定なのかが丁寧に描写され、しかもキャラクターの会話を使った自然な流れですっと入ってきます。さすがトップアスリートの作品です。
緩急ではなく「急しかない」物語
映画はやはり緩急あってこそ。ガンダムでも戦闘シーンあり、なごむシーンありが普通です。しかし、ジークアクスだけは別物。「急急急急急」のフルコースで、アルコールを原液で飲んでいるような強烈さがあります。ずっと鳥肌が立ちっぱなし。ジークアクスの上映時間はわずか81分なのですが、視聴後に「よかった、81分で……」と思わされました。こんなの2時間も見たら、脳がパンクします。
すさまじい作品であるがゆえに宿るTVシリーズへの不安
そして、あまりにも素晴らしい出来であるがゆえに「このクオリティでTVシリーズを走り切れるつもりなのか……?」という一抹の不安が宿ります。初めて「鬼滅の刃」が放映されたときにも似た気持ちです。こんなとんでもない作画、演出、脚本、演技でもつのかと。
それでもやはり、ジークアクスは視聴しておくべきです。なぜなら、日本のアニメヲタクが愛してきたすべてが詰まっているから。ガンダムが苦手な方ですら見るべきです。もしこれが学校なら、間違いなくジークアクスは必修科目となるでしょう。
とにかく、とんでもない作品が世に出てしまいました。どうしたらいいんでしょうか。これから見る他のアニメが色あせて見えてしまったら、鶴巻監督はどう責任を取ってくれるんでしょうか……。
初心者必見!機動戦士ガンダムシリーズの基礎知識
ネタバレなしにガンダム最新作「ジークアクス」の魅力をお伝えしたところで「映画を観に行きたいけれども、ガンダムって設定が複雑だし、前の作品を観ていないといけないんでしょ?」という不安を抱く方が多くいらっしゃると思います。
何を隠そう、私もそれが理由で長らくガンダムシリーズに触れることができませんでした。そこで、初心者向けに「これで安心して観られる! ガンダムシリーズの基礎知識」を解説いたします。
そもそも、ガンダムシリーズとは何か?
ガンダムシリーズとは、1979年に放送されたTVシリーズ「機動戦士ガンダム」が原点となったアニメーション作品群です。ガンダムシリーズは作品ごとに大きく世界観が異なり、作画のタッチや音楽、モビルスーツの形状も変わります。ただし、前提として共有される共通点として以下4つが挙げられます。
- 宇宙を舞台にした戦争と人間ドラマを描く
- 巨大ロボット兵器(モビルスーツ)が登場する
- 戦争の悲惨さや人間の成長を深く掘り下げる
- ニュータイプ、コーディネーターなど、特殊な能力を持つ人間が登場する※
※「機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争」や「機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY」「機動戦士ガンダム 第08MS小隊」など、一部ニュータイプが登場しない作品もあります。
あとは、同じ時系列には存在しない物語(アナザー作品)があったり、学園ドラマから格闘大会まで幅広い世界観が作品ごとにあったりと、作品ごとにガラリと作風が変わるのもガンダムシリーズの魅力です。
従来のロボットアニメと、ガンダムシリーズは何が違うのか
ではなぜ、ここまで幅広い設定を許容しているにもかかわらず、ガンダムシリーズが傑作ぞろいなのか。そこには共通した「名作となる条件」があります。
- リアリティを追求する:多くのガンダムシリーズでは、モビルスーツと呼ばれるロボットが、現実の兵器に近い形で描写されています。また、戦争の悲惨さや難民問題なども描くことで、戦争がおよぼすあらゆる影響をリアリティをもって描いています。※
- 複雑な物語構造:従来のロボットアニメに多かった勧善懲悪ものと異なり、ガンダムシリーズは単純な善悪の二元論を許しません。敵同士となって戦う陣営が「それぞれの正義」を持つ複雑な世界観を展開し、より深みのあるストーリーが描かれています。
- 人間ドラマを重視する:ガンダムシリーズではロボットの戦闘だけでなく、登場人物の成長や葛藤など、ヒューマンドラマに重点を置いています。
- 特殊な必殺技がない:従来のロボットアニメでよく見られた、「〇〇パンチ!」のような、ロボット固有の必殺技や決めポーズがないのもガンダムシリーズの特徴です。※
※『機動武闘伝Gガンダム』ではその真逆を行き、熱血ロボアニメ風に必殺技も叫びまくる作風で話題を呼びました。しかしガンダムらしいドラマもあり大きな人気を誇っています。
総合的に言えば、ガンダムは「初めて大人が視聴しても心動かされ続ける、ロボットアニメ」だったと言えるでしょう。そしてこれらの特徴があるからこそ、ガンダムシリーズは傑作が多く、新たなファンを獲得し続けているのです。
ガンダムシリーズは「宇宙世紀(UC)」と「アナザー作品」に分かれる
ガンダムシリーズでは、同じ年表をもとに各時代での物語を描く「宇宙世紀 (UC)」に紐づく作品と、宇宙世紀から独立した世界観を持つ作品群である「アナザー作品」に分かれています。
宇宙世紀シリーズは、1979年の初代「機動戦士ガンダム」から始まる一貫した世界観を共有しています。宇宙移民や地球連邦政府、ジオン公国との戦争など、長大な歴史を背景にした物語が展開されます。全ての作品が「宇宙世紀」という年号でつながっており、時系列に沿った物語が特徴です。宇宙世紀に紐づいた作品は、シリーズ間でキャラクターや出来事がつながっており、一つの壮大な歴史物語として楽しむことができます。
宇宙世紀に基づいた作品では、「機動戦士Ζガンダム」「機動戦士ガンダムΖΖ」 「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」など初期作品が有名です。最近の作品では「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」も宇宙世紀に紐づいています。
対して、アナザー作品は初期ガンダムシリーズの宇宙世紀とは異なる、独立した世界観を持つ作品群です。それぞれの作品が独自の年号や設定を持ち、他のアナザー作品や宇宙世紀とは基本的に関連性がありません。たとえば、格闘大会をモチーフにした「機動武闘伝Gガンダム」や、学園ドラマ要素のある「水星の魔女」などがこれに該当します。アナザー作品は各作品が独立しているため、事前知識なしでも楽しめる点が魅力的です。
なお、例外的に「∀(ターンエー)ガンダム」では宇宙世紀とアナザー作品を含めた、全作品が最終的に統合される未来世界を舞台に描かれています。この設定により、全てのシリーズは広義においては同じ世界線上に存在すると解釈されています。
ガンダム最新作「ジークアクス」は宇宙世紀に基づいて作られる新作である可能性が高い
なお、事前段階から、最新作のジークアクスは宇宙世紀に基づく作品であると推測されていました。というのも、スペースコロニーの設計が旧作と同一であることや、モビルスーツの「ザク」、そしてザクのヒートホークに類似した近接武器(これがジークアクスの語源ともされる “axe”=斧に見えます)や、アマテ・ユズリハのエフェクトがニュータイプのエフェクトに似ていることなどが告知動画から明らかになっていたためです。
また、アナザー作品では「これは宇宙世紀ではありません」と示すため、わかりやすく他の年号を記載するのが一般的でした。(例:「機動戦士ガンダムSEED」のコズミック・イラ)しかし、告知で独自年号が登場していないならば、宇宙世紀、あるいは宇宙世紀のパラレルワールドではないか? と考えられたわけです。
また、「逆襲のシャア」でスタッフとして参画し、さらには同人誌まで作るほどのガンダムヲタクである庵野秀明氏も多少制作へかかわっていることを考えれば、「なんでもあり」とすら言えるアナザー作品よりも、初期作品に忠実な宇宙世紀を採用したくなるであろうと推察されていました。
では、実際にはどうだったのでしょうか? 気になる方は最下部にある【ネタバレあり】のレビューをご覧ください。
シリーズをもっと楽しもう!機動戦士ガンダムの基礎用語解説
ここからは、ガンダムの最新作「ジークアクス」を楽しむうえで必須となるであろう、基礎用語を解説します。
- モビルスーツ(MS):ガンダムシリーズに登場する巨大人型兵器。
- パイロット:モビルスーツを操縦する人。
- ガンダム:主人公が搭乗することの多い、高性能モビルスーツ。
- ニュータイプ:特殊な能力を持つ人間の総称。宇宙へ出たことで認識能力が拡大し、誤解なくわかりあえる進化した人間だが、総じて情緒不安定な傾向にある(著者の偏見です)
- コロニー:宇宙に建設された人工の居住空間。
- 地球連邦政府:多くの作品で地球側の勢力を指す。「アムロ、行きまーす!」で有名なアムロ・レイは地球連邦政府のパイロット。
- ジオン公国:宇宙側の勢力として登場し、以後も形を変えて影響力を持ち続けた国。U.C.0079に、ジオン公国が地球連邦政府に対し宣戦布告を行い、そこから最初の作品「機動戦士ガンダム」の物語が始まった。あの有名なシャア・アズナブルはジオン公国の軍人。
- ザク:モビルスーツの一種。頭が丸くてかわいい。名前の由来は「雑魚」というかわいそうな機体。
- ミノフスキー粒子:多くのガンダム作品で登場する架空の粒子。光以外のあらゆる電波を妨害する効果がある。
「ジークアクス」を楽しむためにおすすめできる、機動戦士ガンダムシリーズを見る順番は?
ガンダムについて新しいファンが何かを語ると、必ず「まずは〇〇を観ろ」と言ってくる古参ファンがいます。まずは、古参のアドバイスを無視するのも大事なことです。可能であれば宇宙世紀に紐づく全作品を視聴してから「ジークアクス」にも挑みたいところですが、そんなことをしていたら視聴準備が終わるまでに数年経ってしまいます。
ただ、宇宙世紀を採用している可能性が高い「ジークアクス」を視聴するならば、どうしても過去作品のオマージュやつながりは登場しうるわけで……。そこで、初心者も最低限「ここを押さえておけば、劇場でもっと楽しめる」作品をピックアップします。
- 劇場版 機動戦士ガンダム
- 機動戦士ガンダムII 哀・戦士編
- 機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編
- 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
あえてTVシリーズをお勧めするのは諦めました。なぜなら、視聴時間が長くかかりすぎるからです。TVシリーズは最新作「ジークアクス」を観て「ガンダムって面白いかも!」と思ってから視聴していただければいいと思います。そうしないと上映期間が過ぎてしまうので……。
ひとまず、上記4作品を視聴していただければ合計10時間以内でガンダムの面白いエッセンスを押さえつつ、基礎知識をすべてカバーできるはずです!
なお、ガンダムシリーズを最も確実に視聴できるサービスはバンダイチャンネルです。まずはバンダイチャンネルで「劇場版 機動戦士ガンダム」で検索してください。
ガンダムファンが最新作「ジークアクス」公開前にSNSで見せている反応
ガンダムシリーズの最新作「ジークアクス」は公開前から異様な盛り上がりを見せていますが、期待値の高さゆえに公開後に失望を招かないか? という不安の声も挙がっています。
特にジークアクスでは「ジオン公国が勝ったパラレルワールドの世界戦」が「ジークアクス」で描かれるのではないか? という声が複数挙がっていました。一部ではイタリア語版の公式サイトでネタバレが漏れていたという説も。現在のイタリア語版公式サイトはそのせいかコンテンツがばっさりと削除されており、真偽は確認できていません。
さらに、PV公開日が「機動戦士Ζガンダム」に登場するキャラクター「ハマーン・カーン」の誕生日であること、そして映画公開日がハマーンの命日と、ハマーン・カーンを意識した日程にされているのではないか? という推察が浮上。
ハマーン・カーンはこの麗しいお方ですが、奇しくも本作の主人公・アマテ・ユズリハもピンクボブ。
ピンクボブにしてもかなり異なるピンクのように見受けられますが……。アマテ・ユズリハがもしハマーン・カーンのオマージュ、あるいは同一人物だとしたら、ちょっとかわいくなりすぎな気もします……しかし、視聴前は見守ることにしました。
もし、膨れ上がった期待、もとい妄想を実際の「ジークアクス」が裏切った場合、ジオニスト(ジオン公国側のファン)がどう反応するか。私も戦々恐々としつつ、足を劇場へ運びました。
個人的な期待値としては、榎戸洋司氏が脚本を担当していることから漏れ出る「少女革命ウテナ」の香り。過去作に引っ張られてほしいとは全く思っていませんが、「水星の魔女」を観て「決闘がある百合!? ウテナじゃん!」と叫んでいた人々に本物の「女の友情」を見せてほしい気持ちは、あります。
最新作「機動戦士ガンダム ジークアクス」を入り口にガンダムの世界を極めよう
ここまで、機動戦士ガンダムシリーズの最新作「機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)」の魅力をまんべんなく語らせていただきました。
宇宙世紀を扱う可能性が高い以上、ガンダムの過去作はぜひ押さえておきたいもの。見る順番は初期の「機動戦士ガンダム」劇場版3部作がおすすめです。
しかし、何しろ今回公開されるガンダム「ジークアクス」の最新映画は「 -Beginning-」とあるとおり、始まりの物語にすぎません。実際のストーリーはこれからTVシリーズで公開されるわけで、まずは妄想を膨らませつつ、しかし変な期待をしすぎてがっかりしないよう、ぜひ映画館へ足を運んでみてください。
最新作 「ガンダム ジークアクス」関連グッズ・イベント情報
そして、ガンダムといえばグッズ展開が頼もしいですよね! ガンダムの公式サイトではすでにグッズが解禁されています。
ガンダムシリーズ最新作「ジークアクス」関連グッズ情報
こちらが公式のガンプラ(ガンダムのプラモデル)です。本当に axe(斧)持っているなと、武器を再確認してしまいました。従来のガンダムシリーズに多用されたビームサーベルよりも生々しい武器ですね……。
なお、より高級なラインナップでは銃らしき武器、輝くソードのような武器も確認できています。作中で複数の武器を駆使して戦うGQuuuuuuX(ジークアクス)機が見られるのが楽しみになる逸品です。
また、2025年2月に一番くじが開催されることも確定しています。A賞はアマテ・ユズリハのフィギュア。発売は一番くじONLINE限定とのことで、公式サイトでの情報更新が待たれます。
その他、ナムコのクレーンゲームでアマテ・ユズリハのフィギュアやジークアクスのキャラクターぬいがゲットできることも判明しており、こちらもリリースが待ち遠しいです。
ガンダムシリーズ最新作「ジークアクス」イベント情報
本作には映画館への来場者向けプレゼントがあります。1月17日(金)から「キービジュアルイラストカード」と、「機動戦士ガンダム アーセナルベース」プロモーションカードパックが配布されるとのことです。来場者が多すぎる場合、予定より早くプレゼントが品切れとなる可能性もありますので、お早めに映画館へお越しください。
【閲覧注意】「ジークアクス」映画館で視聴した最速レビュー ネタバレあり版
ここから先は、【ネタバレあり】の映画レビューです。ご注意ください。
ここから先は一応、「ネタバレを見てから映画に行くタイプの方」向けに書いています。
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ここから先が、【ネタバレあり】のガンダム最新作「ジークアクス」レビューです
冒頭、U.C.0079と出てきた時点で、ガンダムシリーズの全ファンが叫びそうになったと思います。そう、舞台は初代ガンダムの登場する、一年戦争の真っただ中。
そして、シャア。赤い彗星も現役です。シャア・アズナブル少佐は初代通り、連邦軍が極秘に開発していたモビルスーツ「ガンダム」を発見します。しかし、そこから先は少し異なる道を歩み始めます……。
脚本チームはこのストーリーを思いついた時点で、相当な覚悟が必要だったはずです。初代ガンダムの音源を借りられようとも、過去のセル画を参照する許可をもらえたとしても、下手なものを作れば「ガンダム同人誌」「ヲタクの二次創作」と大バッシングを受けるだけです。
しかも、今の時代に初代ガンダムを復活させるとして、単にCGで描きなおせば作画の良さは失われ、変にツルツル・テカテカのイケメンになったシャアが爆誕していたことでしょう。作画のなかでは、旧作の音源を使いながらも最新のCGと共存させる、とんでもないテクノロジーが使われていました。そのため「確かにこれは、初代ガンダムのBGM。確かにこれは、月面基地グラナダ……だがすべてが新しい絵と融合している……」という、奇跡を起こしています。
「シャアに異なる物語を描かせよう」
この許可を富野由悠季氏から取った、ということですよね。とんでもないことです。
ガンダムを初見で乗りこなす、天才・シャア。搭乗時にはニュータイプとしての素質に目覚めます。(作中では「きらめき」と呼ばれています)しかし、シャアは妹・アルテイシアとの邂逅を果たすも行方不明になり……。
そう、アマテ・ユズリハをはじめとする「今」のキャラクターは、すべて”戦後”の物語です。ガンダムの最新作・ジークアクスの世界は、一年戦争の「その後」を描いています。
だから、ちょっとキャラの作画が古かったんだ……と、納得がいきました。今のトレンドって、目があんまり大きくない作画ですよね。それなのにアマテ・ユズリハをはじめとする登場人物たちは「あえて」少し前の画風で描かれていた、その疑問が解けました。
これはガンダムという、悠久の宇宙世紀をたどるなかでは比較的前の物語なのです。今すぎる作画では、登場するシャアやキシリア・ザビとの差が大きすぎて変になってしまう。そこで画風の調整が行われたのでしょう。これは、作画担当がとんでもない汗を流しています……!
戦後のコロニーに集う難民たち。そこで開催される非合法の戦闘用モビルスーツによる殺し合いこと、クランバトル。クランバトルでなぜか見つかる、赤いガンダム。
とんでもないものを世に出されてしまった。今後公開予定となっているTVシリーズのジークアクスは、どこに向かおうとしているのでしょうか。楽しみです、とても。
記事監修:中島りも様
「セリフと演出から読み解く機動戦士ガンダム解説」YouTube・公式サイト 制作者
「ジークアクス」映画館で視聴した最速レビュー(ネタバレあり版・なし版の両方)については、中島りも様の監修を受けず、トイアンナが独断で執筆しています。あらかじめご了承ください。
トップ画像の出典:ファミ通.com
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