生でちぎって食べるだけ!植物マニアが勧める添え野菜としての多肉植物
グラパラリーフというものをご存知でしょうか。
私は最近知りました。私の読者の方が、私が多肉植物が好きということで苗をくれたのです。私はそれを自作の栽培設備で育て、いろいろな食べ方を試せるぐらいにまで育ちました。タイトルにもある通り、食べられる多肉植物なのです。
グラパラリーフとはどんな植物か?
グラパラリーフはまだ一般的にはあまり知られていない植物かもしれません。食べられる多肉植物はかなり珍しいといえます。
グラプトペタラムというベンケイソウ科の多肉植物を食用に品種改良したものが「グラパラリーフ」という名称で売られています。ベンケイソウ科の多肉植物としては「金のなる木」の通称で知られる花月などが有名です。グラプトペタラムは全体的に丈夫で、さし木などで増やしやすいことが特徴です。グラパラリーフもそうですが、葉ざしでも増やすことができます。葉を土に差しておくと根が出て増えるんですね。
このような特性から、栽培もしやすく、多肉植物初心者にもおすすめです。増えすぎても食べられますし。またカルシウムやマグネシウムが多く、サプリメント的に食べる方もいらっしゃるようです。
基本的な味
さて、味のほうはどうかというと、かなり薄いです。さっぱりしています。苦みもほとんどなく、むしろほかの野菜などと比べても苦みはないほうかもしれません。
食感はリンゴです。シャリっとしています。皮の硬さもなく、万人受けする食感と言えると思います。ほかに食べられる多肉植物としてはアロエなどがありますが、アロエがネトネトして苦いのに比べると、こちらはかなり万人受けするというか、違和感を覚えにくい味です。
また一部の多肉植物は、夜間に二酸化炭素を取り入れて昼に光合成する特性を持っています。なので理屈上は朝方だと酸味が強く、夕方だと酸味は消えているはずです。そう思って朝と夜に食べ比べてみたのですが、あまり感じられませんでした。
生で食べる
いろいろな食べ方を試したのですが、生はかなりおすすめです。味のところで述べた通り、もともときわめてさっぱりしていますから、サラダなどに向いているかもしれません。料理の主役というよりは脇役として活躍する位置だと思います。個人的には、料理の写真を撮る時の添え物に最適だと感じました。
グラパラリーフの最大の利点はこれかもしれません。料理の写真を撮る時、添え物に緑が欲しいな、となる時があります。そういう時に葉をとってさっと添えるという使い方です。とくに茎の先端部は葉が花のような形についていて見栄えも楽しめます。
茹でて・炒めて食べる
加熱すると急速にしんなりします。厚みのある葉が透き通って火が通っていくのが分かります。さっと火を通すとインゲンにも似たパリッとした感じになり、炒め物などに入れても違和感がないと思います。
一方で火を通しすぎるとしんなりしすぎて食感が失われてくる気がしますね。あまり火を通しすぎず。料理を火からおろす最後に使うのがいいと感じます。
凍らせて食べる
これが個人的には面白いと感じました。グラパラリーフを冷凍庫に入れておくとそのまま凍るのですが、しゃりっとした食感がさらに引き立ちます。
凍らせてもカチコチにはならず、いい感じの食感になります。アイスクリームやシャーベットにのせてもいけると思います。
グラパラリーフの栽培について
最後に栽培法について説明しますが、前述の通り非常に育てやすい種です。環境が合えば放置でもいけるぐらいです。
土は市販の多肉植物の土で充分でしょう。置き場は日当たりで、冬もそのままでいいですが凍結して傷んでしまうようなら屋内にひっこめます。いやあ簡単ですね。
育つとべろべろ伸びてくるので、釣り鉢なんかで育てるとオシャレな感じになると思います。
まとめ
最近はなんでも「映え」を要求される時代です。たとえばただ自炊した飯の写真をネットに乗せるにしても、彩などを気にして映えを狙うのが当たり前のような空気があります。贅沢ですね。
一方で世界情勢は緊張を増しており、食料生産の重要性は増しています。その一方で農業は専門化し、都市型の生活の中で食料生産の現場に関わる機会を持つ人は趣味レベルでもほとんどありません。
そんな状況の中で、自宅でも栽培できるこのグラパラリーフは、「平時は映え、有事は緊急食糧」という役割を果たします。カロリーは控えめですが、水気は多いですから水分補給やミネラル補給などとして飢えをしのぐ一助となるでしょう。
自宅にぜひ一鉢、おすすめです。
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